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API & SDK/2026-07-09上級

20万トークンの崖で夜間バッチの請求が跳ねた — count_tokens プリフライトで長コンテキスト単価を避ける

Sonnet 5 のネイティブ1Mコンテキストは、入力が20万トークンを超えた瞬間にリクエスト全体が長コンテキスト単価へ切り替わります。無人バッチで請求が静かに倍増する崖を、課金対象外の count_tokens プリフライトで手前に止めた実装を、Python と TypeScript の動くコードで記録します。

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ある朝、前夜の記事生成バッチのコストを見て手が止まりました。前日とほぼ同じ処理のはずが、請求だけが約2倍に膨らんでいたのです。

原因は処理の失敗でも、モデルの取り違えでもありませんでした。その晩だけ、蓄積した会話履歴と読み込んだファイル群で入力が20万トークンを越え、リクエスト全体が長コンテキスト単価に切り替わっていたのです。1トークンの差で単価が不連続に跳ねる、まさに「崖」でした。

個人開発で Dolice の4サイトの更新処理を毎晩モデルに任せている私にとって、この崖は放置できない性質のものでした。失敗ならログに残りますが、これは成功したまま静かに請求だけが増えます。気づく手がかりが請求書しかない、という怖さがありました。

その崖を送信の手前で検知して止める仕組みを、いま実際に運用しているコードのまま残しておきます。

なぜ20万トークンで請求が跳ねるのか

Claude Sonnet 5 はネイティブで1Mトークンのコンテキストを扱えます。ただし料金は一律ではありません。入力が20万トークンを超えたリクエストは、長コンテキスト単価という別の料金帯で課金されます。

重要なのは、これが「20万を超えた分だけ高くなる」段階的な加算ではない点です。私の理解では、境界を越えた瞬間にそのリクエスト全体が長コンテキスト単価で計算されます。入力も出力も、20万1トークン目だけでなく全量が上位帯の単価になります。だからこそ、境界の直前と直後で総額が滑らかにではなく不連続に跳ねます。

具体的な単価の関係は次の通りです。導入価格の基準帯は公表値ですが、長コンテキスト帯の倍率は改定されることがあるため、必ず最新の料金ページで確認し、後述の設定値に反映してください。

入力トークン入力単価(100万あたり)出力単価(100万あたり)備考
20万以下基準帯(Sonnet 5 導入価格 $2)基準帯($10)〜2026-08-31 の導入価格
20万超長コンテキスト帯(基準の約2倍が目安)長コンテキスト帯(要確認)境界超過でリクエスト全体が対象

私は入力側でおよそ2倍になる想定で設計していますが、正確な倍率は運用前に必ず確認し、コードにハードコードせず設定として持たせています。単価は変わりますが、「境界で全体が切り替わる」という構造は当面変わらないはずです。守るべきはこの構造の方です。

送信前に見積もる — count_tokens は課金対象外

崖を避ける鍵は、送信してから請求で気づくのではなく、送信する前に入力トークン数を知ることです。ここで Token Counting API(count_tokens)が効いてきます。

この API には、無人運用にとって都合のよい性質が2つあります。ひとつは、count_tokens 自体は課金の対象外であること。もうひとつは、通常のメッセージ送信とは別枠で、レート制限を消費しないことです。つまり、毎リクエストの前に安全に呼べます。見積もりのために本番の予算やレート枠を削らずに済むわけです。

トークン数の一般的な把握についてはClaude API のトークン数を事前に把握してコストを最適化する方法でも扱っていますが、ここでは「境界を越えるか越えないか」という一点の判定に絞って使います。

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この記事で得られること
夜間の自動処理で請求が突然倍になる原因を特定できずにいた人が、20万トークンの境界という一点に切り分けられるようになります
送信前に count_tokens で入力トークンを見積もり、崖の手前で送信を止めるプリフライト関数を Python・TypeScript の両方で手に入れられます
境界を越えそうな入力を、要約による圧縮・安価モデルへの退避・実行の先送りのどれで捌くか、運用の判断基準を持ち帰れます
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