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API & SDK/2026-04-28中級

Claude API のプロンプトキャッシュがヒットしない時の診断手順

Claude API のプロンプトキャッシュが効いていない時、まず確認すべきは usage フィールドです。cache_read_input_tokens がゼロのまま増えない原因を、5つの典型パターンに沿って切り分けます。

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cache_control を設定したのに、月末の請求書がぜんぜん安くなっていない」— Claude API のプロンプトキャッシュを導入した方から、この相談を一番よく受けます。私自身も最初にキャッシュを入れた時、3日間まったくヒットしていないことに気づかず、「やっぱり効果ないのかな」と諦めかけました。

実は、プロンプトキャッシュが効かない原因は意外と限られています。そして、診断の出発点はリクエストごとに必ず返ってくる usage フィールドにあります。ここでは私が個人運営しているアプリで何度もぶつかった「キャッシュミス」の典型パターンを、診断順に整理します。

まず usage フィールドを読む

Claude API のレスポンスには、必ず usage というオブジェクトが含まれています。プロンプトキャッシュを使っている時は、ここに2つの追加フィールドが現れます。

import anthropic
 
client = anthropic.Anthropic()
 
response = client.messages.create(
    model="claude-sonnet-4-6",
    max_tokens=1024,
    system=[
        {
            "type": "text",
            "text": "あなたは経験豊富な技術ライターです。" * 200,  # 約2,000トークン
            "cache_control": {"type": "ephemeral"},
        }
    ],
    messages=[{"role": "user", "content": "こんにちは"}],
)
 
print(response.usage)
# Usage(
#   input_tokens=10,
#   cache_creation_input_tokens=2103,
#   cache_read_input_tokens=0,
#   output_tokens=42
# )

注目するのは次の3つの値です。

  • input_tokens: キャッシュの対象外で、毎回読み込まれる入力トークン数
  • cache_creation_input_tokens: 今回のリクエストでキャッシュに「書き込まれた」トークン数(5分TTLなら標準単価の1.25倍、1時間TTLなら2倍が課金されます)
  • cache_read_input_tokens: キャッシュから「読み込まれた」トークン数(標準単価の0.1倍)

ヒットしている状態とは、2回目以降のリクエストで cache_read_input_tokens がゼロより大きく、cache_creation_input_tokens がゼロに近づいている状態を指します。これが何度リクエストしても変わらないなら、何かが間違っています。

原因①: 最小トークン数を満たしていない

Claude のプロンプトキャッシュには、キャッシュ対象として認められる「最小トークン数」が設定されています。2026年4月時点での目安は次のとおりです。

  • Claude Sonnet 4.6 / Claude Opus 4.6: 1,024 トークン
  • Claude Haiku 4.5 系: 2,048 トークン

この閾値を下回るプレフィックスに cache_control を付けても、サーバー側でキャッシュは作られず、cache_creation_input_tokens は常にゼロのまま、input_tokens だけが膨らみ続けます。

短いシステムプロンプト(数百トークン程度)に cache_control を付けて「効かない!」と悩むケースは本当に多いです。私が最初にハマったのもこれでした。診断としては、システムプロンプト全体のトークン数を tokenizer で先に数えてみてください。1,024未満なら、キャッシュよりも先に「プロンプト自体を圧縮しない」方向で設計を見直す方が現実的です。

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この記事で得られること
usage の cache_read_input_tokens を見てキャッシュミスを5つの原因に切り分ける診断手順
1,000枚バッチで input_tokens を 3,210 から 12 へ、TTFT を 1.42 秒から 0.83 秒へ縮めた実測データ
5分TTLと1時間TTLをアクセス間隔で選び分ける判断表と、read対create を 10対1 に保つ運用のコツ
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