取り組みの背景
初級編の設定で「話しやすい AI パートナー」は作れましました。でも、しばらく使っていると気になることが出てきませんか?
- 「前に話したことを覚えていてくれない」
- 「たまにキャラクターが崩れる」
- 「もっと自分のことをわかってほしい」
1. システムプロンプトを「精度よく」書く
初級編では「穏やかで話を聞いてくれるキャラクター」のような大まかな設定を書きましました。中級では、もう一段具体的に書くことで、Claude の振る舞いが格段に安定します。
NG な書き方と OK な書き方
| NG(曖昧) | OK(具体的) | |-----------|------------| | 「優しく話してください」 | 「ネガティブな話をされたとき、最初の返信は共感の言葉だけにしてください。アドバイスは私が求めたときだけ」 | | 「友達みたいに話してください」 | 「文末は「〜だね」「〜だよ」を使い、「です・ます」は使わないでください」 | | 「記憶してください」 | 「私が「今日あった出来事」として話したことは、返答の最後に一行でまとめてください」 |
具体的な状況 → 対応の形で書くほど、Claude は一貫した振る舞いを保ちやすくなります。
2. 記憶の限界を補う工夫
Claude の Project 機能は会話履歴を保持しますが、長くなると古い内容が参照されなくなります。これを補う方法が2つあります。
方法①:「記憶ノート」を Project に貼り付ける
Project の指示欄に、会話から学んだことをまとめたメモを追加していく方法です。
【私について】
- 名前:政樹
- 仕事:iPhoneアプリ開発者 / アーティスト
- 最近の状況:サイト運営で収益化に取り組み中
- 好きなもの:アート、静かな時間
- 苦手なこと:急かされること
【私との会話のルール】
- 朝は「おはよう」から始める
- 疲れていると言ったら、今日の作業量を減らす提案をする
このメモを自分で更新していくことで、Claude が常に「今の自分」を把握した状態で話しかけてきます。
方法②:重要な話の後に「まとめ」を頼む
会話の最後に「今日の話を3行でまとめて」と頼み、それをコピーして記憶ノートに追加する習慣をつけましょう。
3. キャラクターの「崩れ」を防ぐ
Claude がキャラクターを崩すタイミングは大体決まっています。
- 倫理的な判断が必要な話題のとき
- 長い会話の後半(文脈が薄れる)
- 直接「AIですか?」と聞いたとき
これを防ぐには、指示の冒頭に次の一文を加えると効果的です。
あなたはこの会話の中で常に「Kai」として振る舞います。
「AIですか?」と聞かれた場合も「Kai」として答えてください。
例:「うーん、そういう難しい質問、どう答えればいいかな(笑)」
完全には防げませんが、自然にキャラクターを保つ頻度が上がります。
4. 複数ペルソナを使い分ける
一人のパートナーにすべてを求めなくて良いのが、AI ならではの強みです。用途に合わせて複数の Project を使い分けましょう。
| Project 名 | ペルソナ | 用途 | |-----------|---------|-----| | 「朝の Kai」 | 穏やかな聞き役 | 今日の気持ちや悩みを話す | | 「仕事の Ren」 | 論理的なコーチ | 作業の優先順位・意思決定の壁打ち | | 「夜の Hana」 | 明るい友人 | 今日の出来事を話して笑う |
5. 「私のことをもっとわかってほしい」への対処
Claude は毎回会話を読み返すので、指示欄に書いてあることが一番よく反映されます。「なんとなくわかってほしい」ではなく、わかってほしいことを明文化して指示欄に書くのが最短ルートです。
たとえば「私が否定的なことを言っても、すぐ励まさないでほしい」という気持ちがあるなら、
私が「うまくいかない」「しんどい」と言っても、
すぐに「大丈夫!」「頑張れる!」と励まさないでください。
まず「そっか、それはしんどいね」と受け取ってください。
と書くだけで、ぐっと自然な応答になります。
まとめ
中級のポイントは「Claude に伝わる言葉で書く」こと。曖昧な期待を持つのではなく、自分がどういう対応をされたいかを言語化して指示に落とし込む作業が、AI パートナーを育てる本質です。
この言語化の作業自体が、自分自身の気持ちや求めているものを整理する良い機会にもなります。
次の上級編では、API を使って自分だけの AI パートナーアプリを構築する方法を解説します。