壁紙アプリのストア用素材を整理してもらおうと、Cowork を開いた朝のことです。依頼文を書き始めて、ふと手が止まりました。「元の画像は触らないでください」「書き出しは _out フォルダにだけ置いてください」「ファイル名は日付から始めてください」——先週も、その前の週も、ほぼ同じ三行を打っていたからです。
打ち忘れた日は、案の定でした。元画像の隣に、書き出した画像が並んでしまいました。
そこで試したのが、フォルダの先頭に CLAUDE.md という名前の短いテキストファイルを一枚置く ことです。結論からお伝えしますと、十行ほどで足りました。作り方と、効いているかどうかの確かめ方を、順に書き残します。
CLAUDE.md は「毎回の前置き」を肩代わりするメモです
Cowork や Claude Code は、作業フォルダに CLAUDE.md があると、その内容を指示として読み込みます。私の環境でも、フォルダを選んだ直後から、ファイルに書いた約束が会話の前提になっておりました。
つまり、依頼のたびに打っていた前置きを、あらかじめフォルダ側に置いておけるのです。難しい設定ではありません。ただのテキストファイルです。
ただし、置けば何でも効くわけではありません。ここからが本題です。
書く項目は三つだけにします
最初のうち、私は欲張りました。フォルダの由来、過去の経緯、好きな文体、禁止事項を二十項目ほど並べ、結果は芳しくありませんでした。長いほど、肝心の一行が埋もれてしまうのです。
いまは、次の三つに絞っています。
| 項目 | 書く内容 | 私のフォルダでの例 |
|---|---|---|
| 触らないもの | 読むだけで、変更してはいけない場所 | originals フォルダの中身は読み取りのみ |
| 出していい場所 | 新しく作ったものを置く場所 | 書き出しは _out にだけ置く |
| 名前の決まり | ファイル名や日付の書き方 | 20261014_ のように日付から始める |
三つとも「やってはいけないこと」ではなく「どこで・どう」という位置と形の話です。禁止の列挙より、置き場所の指定のほうが、後から読み返したときに迷いませんでした。
実際に置いたファイルです
フォルダの直下に、次の内容で CLAUDE.md を作りました。
# このフォルダの約束
- originals フォルダは読み取り専用です。中身を変更・削除・移動しないでください。
- 新しく作ったファイルは _out フォルダにだけ置いてください。
- ファイル名は「20261014_内容.拡張子」のように日付から始めてください。
- 迷ったら、作業を止めて私に質問してください。四行です。最後の一行は、約束に書いていない状況に出会ったときの逃げ道として足しました。何を許すかを全部書き切ることはできませんが、「迷ったら止まる」は一行で書けます。
読まれているかは、頼んで確かめます
置いただけでは、効いているのか分かりません。私は新しい会話の最初に、次のように頼んでいます。
このフォルダの約束を、あなたが理解している範囲で三行にまとめて教えてください。返ってきた三行が、書いた内容と合っていれば成功です。合っていなければ、ファイル名の綴りか、置いた階層を疑います。私は一度、ファイル名を claude.md と小文字で作ってしまい、読まれなかったことがありました。大文字小文字まで含めて CLAUDE.md です。
もう一歩、確かめたいときは、わざと約束を破りそうな依頼をしてみます。「originals の画像を白黒に変えてください」と頼み、断られるか、確認が返ってくれば、約束が効いています。ただしこの試しは、複製したテスト用のフォルダでだけ行ってください。本番の素材で試すのは避けたいところです。
書きすぎたときは、半分に戻します
数週間使うと、約束はどんどん増えていきます。増えた分だけ、読み込みの負担も、読み違いの可能性も増えるのだと思います。
私は月の初めに、一度だけ読み返します。「この一行がなくなったら、実際に困るか」と自分に問い、困らないものを消します。常時読み込まれる指示を減らす考え方は、Cowork に常時読み込ませている指示を、半分にしました に詳しく書きました。フォルダに権限を渡す順番のほうは、書き込みを任せたのは三番目でした をご覧ください。
約束ファイルに、秘密は書きません
最後に一つだけ、線引きをお伝えします。CLAUDE.md は会話の前提として何度も読み込まれるファイルです。パスワード、API キー、お客さまの個人情報は、ここに書かないでください。「このキーは使ってよい」と書きたくなる場面でも、書かないほうが安全です。
約束ファイルには、置き場所と形だけを書き、鍵と名前は書かない。
次にフォルダを渡すときは、まず四行の CLAUDE.md を作り、「三行にまとめて」と頼むところから始めてみてください。それだけで、前置きを打ち忘れる朝が一つ減るはずです。