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⬡ API & SDK/2026-07-24上級

メモリストアの棚卸しが半分しか返らない — path_prefix セグメント一致への移行

agent-memory-2026-07-22 で memories.list が変わりました。順序固定・depth 厳格化・path_prefix のセグメント一致。件数が音もなく半減した実例と、破壊的変更に耐える棚卸し層、呼び出し箇所を ast で洗い出す方法、depth=1 再帰の走査コストの実測をまとめます。

Claude52Managed Agents4Memory3API27移行11

✦ プレミアム記事

朝の棚卸しスクリプトが、いつもより静かでした。

私は個人開発で、数本のアプリの運用をひとつの Managed Agents セッションに任せております。夜間にクロール状況・課金・問い合わせを見て、朝に要約を置いておく。そのために、プロジェクトごとのメモリストアへ「前回の判断」「触ってはいけない設定」を書き溜めております。

毎朝、そのメモリを一覧して差分を眺めるのが習慣でした。ところがある朝、一覧が拾ってくる件数が減っていました。前日は全プロジェクト合わせて 68 件だったものが、その朝は 39 件。ほぼ半分です。エラーは出ていません。例外も、警告も、何も。ただ、いくつかのプロジェクトのメモリだけが結果から消えていました。

原因は、前夜に上げたベータヘッダーひとつでした。agent-memory-2026-07-22。

メモリストアの一覧を、なぜ自前で叩くのか

Managed Agents のメモリストアは、セッションのコンテナに /mnt/memory/ としてマウントされ、エージェントは通常のファイルツールで読み書きします。ここまでは、エージェントに任せておけば済む話です。

一覧 API を人間側から叩くのは、別の目的のためです。エージェントが書いたものをこちらで読み返し、誤った記憶があれば訂正し、区切りごとにエクスポートして棚卸しをしております。私の場合は毎朝の差分確認で、memories.list を path_prefix で絞り込みながらプロジェクト単位に巡回しておりました。

メモリは 1 件あたり 100 kB(およそ 25,000 トークン)が上限で、公式にも「大きな数本ではなく、小さく焦点を絞った多数のファイルに分けよ」と書かれています。私はこれに従い、/projects/alpha/decisions/2026-07.md のように、プロジェクト名を第1セグメントに置く木構造で運用しておりました。この設計が、今回の変更でちょうど急所を突かれた形になります。

agent-memory-2026-07-22 で変わった3点

ベータヘッダーを agent-memory-2026-07-22 に上げると、memories.list の挙動が3点変わります。順に見ていきます。

項目変更前変更後(agent-memory-2026-07-22)
一覧の順序order_by / order で制御サーバ定義の安定順に固定。order_by / order は無視
depth の値任意の整数を受け付けていた0・1・省略のみ。それ以外は 400
path_prefix の一致部分文字列(substring)一致末尾スラッシュ必須。パスセグメント単位の一致

順序固定と depth 制限は、読めば身構えられます。困るのは3つ目です。挙動が「エラーではなく、静かに違う結果」に振れるからです。

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この記事で得られること
✦agent-memory-2026-07-22 で変わった3点: 一覧順序の固定・depth の値制限・path_prefix のセグメント一致
✦末尾スラッシュ無しの path_prefix が黙って0件を返す落とし穴と、grep では 5 件中 1 件しか拾えない呼び出し箇所を ast で洗い出す手順
✦破壊的変更に耐える棚卸し層の実装と、depth=1 再帰の走査コスト実測(逐次 698.6ms / 段ごと並列 147.8ms・共有プール内の再帰がデッドロックする理由)
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