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⬡ API & SDK/2026-07-28上級

ツール出力10万文字の境界で消える一行 — 実測から組み立てた出力封筒の設計

エージェントのツール出力が10万文字を超えると全文はファイルへ退避され、モデルには先頭を切り取ったプレビューだけが渡ります。手元のリポジトリで実測した生存率と、判断材料を先頭へ押し出す出力封筒の実装をまとめました。

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✦ プレミアム記事

自分のコンテンツリポジトリに対して、エージェントに素朴な質問を投げました。「この中でいちばん大きい MDX ファイルはどれですか」。

返ってきたのは、実際の最大ファイルではありませんでした。

手元で find と wc -c を組み合わせて確かめると、答えは 53,595 バイトの記事です。エージェントが挙げてきたのは、それより一回り小さいファイルでした。ツールの実行自体は成功していて、エラーもありません。

原因にたどり着くまで、しばらくかかりました。ツールの出力が 10 万文字の境界を越えていたのです。

10万文字を超えた出力に何が起きているのか

Managed Agents では、agent_toolset と MCP ツールの出力が 10 万文字(およそ 25K トークン)を超えると、全文がサンドボックス内のファイルへ自動的に書き出されます。モデルに渡るのは切り詰められたプレビューと、そのファイルパスです。必要になった時点で全文を読み出せる、という設計になっています。

コンテキストが溢れて処理そのものが失敗するよりは、はるかに良い挙動です。ログ全文やビルド出力を扱うタスクが、境界を意識せずに走るようになりました。

ただ、この「切り詰められたプレビュー」が何を切り詰めているのかは、仕様を読むだけでは分かりませんでした。実際に境界の向こう側へ出力を送り込んで、何が残り何が消えるのかを測るまで、私は事態を誤解していました。

実測: 手元のリポジトリで、どのコマンドが境界を越えるか

測定対象は、日本語 791 本・英語 791 本の MDX を抱えた実際のコンテンツリポジトリです。日常的にエージェントへ投げているコマンドを、そのまま流してバイト数を数えました。

コマンド出力バイト数10万文字比行数
grep -rn 'claude' content/articles/ja --include='*.mdx'1,201,15412.01x5,595
cat src/data/articles.json822,5828.23x—
find content -name '*.mdx' -exec wc -c {} +149,8381.50x1,654
ls -R content87,1350.87x—

4 つのうち 3 つが境界を越えていました。特別に乱暴なコマンドは一つもありません。どれも「ファイル一覧を取る」「横断的に検索する」という、エージェントに最初に覚えさせる類の操作です。

規模が育つと、日常の操作がそのまま境界を越えます。これが出発点でした。

✦

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✦境界は文字数・wc -c が返すのはバイト数。単位を揃えて測り直した生存率(10.7%〜65.7%)と日本語混じり出力での1.29倍のずれ
✦エラーが多いログほど結論行を落とす封筒の欠陥。境目はシグナル行220〜240文字と実測し、予算を先に確保する修正版を全文掲載
✦822,582文字のJSONが先頭カットで JSONDecodeError になる位置と、0.69%に畳みつつ妥当なJSONを返す封筒の実装
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