壁紙アプリのレビューに返信していた朝、「広告を消す課金をしたのに、まだ広告が出る」という一件に手が止まりました。個人開発でアプリを運用していると、この種の問い合わせは珍しくありません。そしてその日の午後、私自身が Claude の設定画面で同じ順番の確認をすることになりました——iPhone で続けていた Pro が、Mac のブラウザでは無料プランの表示に見えたのです。
結論から短くお伝えします。Claude の有料プランは「どこで買ったか」で、請求も、領収書の置き場も、解約の入り口も分かれます。Web か Desktop で買ったなら claude.ai の設定画面が正で、iOS か Android のアプリ内で買ったなら Apple か Google の購読管理が正です。無料のままに見える症状の多くは、この二つの入り口を取り違えたところから始まるのだと感じています。
症状の見分け方 — 三つの表示が、どちらの経路かを教えてくれます
最初に見るのは、画面に出ている文言そのものです。「支払いが通らなかった」のか、「支払ったのに反映されない」のか、「どこで払ったか分からない」のかで、次に開く画面が変わります。
| いま見えている症状 | 疑う経路 | 最初に開く画面 |
|---|---|---|
| アカウント名の横に無料プランの表示が出る | Web/ストアの両方 | ログイン中のメールアドレス |
| Settings の Billing に請求書が一枚もない | ストア購入の可能性が高い | App Store または Google Play の購読一覧 |
| Billing に「Cancel」のボタンが見当たらない | ストア購入 | アプリ右上のイニシャル → Billing → Manage subscription |
| 「Your receipt from Anthropic」の件名のメールが届く | Web/Desktop 購入 | claude.ai の Settings → Billing |
公式ヘルプの「Paid plan billing FAQs」は、冒頭でこの線を引いています。Web で買った購読だけがこの記事の対象で、iOS・Android のアプリから購読した場合は支払いも領収書も Apple・Google の側で扱う、という一文です。私はこの一文を読み飛ばしていたために、Billing の画面を何度も再読み込みしておりました。
Web・Desktop と、iOS・Android を並べる
二つの経路を同じ項目で並べると、迷いが減ります。
| 項目 | Web(claude.ai)/ Desktop(Mac・Windows) | iOS/Android アプリ内 |
|---|---|---|
| 請求元 | Anthropic(カード決済) | Apple App Store/Google Play |
| 支払い方法 | クレジットカード・デビットカードのみ | ストアに登録した方法(キャリア決済・ギフト残高などストア側の選択肢) |
| 領収書・請求書 | Settings → Billing の Invoices、または「Your receipt from Anthropic」のメール | ストアの購入履歴(Anthropic からは発行されない) |
| カードの変更 | Settings → Billing の「Update」 | ストアの支払い設定 |
| 解約 | Settings → Billing の「Cancel」 | アプリのイニシャル → Billing → Manage subscription(アプリを消していてもストアから可能) |
| 解約の反映 | どちらも当期の終了時。次回請求を避けるには請求日の 24 時間前までに | |
| ギフト購読の受け取り | Web でのみ可能 | ストア購読が有効なあいだは受け取れない |
表にして気づいたのは、Desktop アプリは「アプリ」という名前でありながら、課金の扱いは Web 側だということです。Mac の Desktop で Pro に入った方は、ストアではなく claude.ai の Billing を見ることになります。一方で iPhone のアプリから入った方は、Mac のブラウザで Billing を開いても請求書は並びません——払っていないのではなく、請求書を発行しているのが Anthropic ではないからです。
原因の切り分け順 — メール、支払い状態、購入経路の順に
無料のままに見えるとき、私が決めている順番は三つです。
一つ目は、ログインしているメールアドレスです。公式ヘルプも最初にこれを挙げています。iPhone では Apple でサインインし、Mac では Google でサインインしていた、という組み合わせは珍しくありません。別のアドレスで作ったアカウントに Pro が付いていて、いま開いているアカウントは本当に無料、ということがあるのです。
二つ目は、支払いが失敗して自動的に無料へ戻っていないかです。Web 購入なら Settings → Billing に直近の支払い状態が出ます。カードの期限切れや限度額で更新に失敗すると、プランは無料に戻ります。この場合は同じ画面の「Update」から支払い方法を入れ直せば済みます。
三つ目は、購入経路です。一つ目と二つ目で何も見つからないなら、Web ではなくストアで買っている可能性を疑います。iPhone の設定の購読一覧、あるいは Google Play の定期購入に Claude が並んでいれば、そちらが正です。
メールアドレスを疑ってから、支払いを疑い、最後に経路を疑います。 この順番にしてから、再読み込みを繰り返す時間が消えました。
直し方 — 経路ごとに、触る画面は一か所だけ
Web・Desktop で買った方は、claude.ai の左下のイニシャルから Settings → Billing へ進みます。請求書の「View」で支払いが完了しているかを見て、失敗していれば「Update」で支払い方法を直します。完了しているのに表示が無料なら、ログアウトして同じメールアドレスで入り直します。この入り直しの手順は Proにアップグレードしたのに機能が解放されない時の対処法 に段階を追って書いてあります。
iOS・Android で買った方は、アプリの右上のイニシャル → Billing → Manage subscription を開きます。ここで購読が「有効」なら、Apple か Google への支払いは通っています。それでもブラウザ側が無料に見えるなら、ほぼ確実にメールアドレスの違いです。アプリでサインインしているアカウントのアドレスを確かめ、ブラウザでも同じアドレスで入り直してください。
個人開発の側から見ると、この構図には覚えがあります。ストアの購読はストアのアカウントに、サービス側の権利はサービスのアカウントに紐づいていて、二つを結ぶのはユーザーが「どのアカウントでログインしていたか」だけなのです。壁紙アプリで「課金したのに広告が出る」と言われたとき、私がまず尋ねるのも、どの端末のどのアカウントで買ったかでした。
直らないときの次の一手
三つの切り分けで何も見つからず、ストアの購入履歴にも請求書にも支払いの記録があるのに無料のままなら、自分で触れる範囲は終わりです。そこから先はサポートへの連絡になります。
連絡するときに揃えておくと話が早いのは、購入した経路(Web・Desktop・iOS・Android のどれか)、購入日、ログインに使っているメールアドレス、そして領収書の控えです。ストア購入なら Apple か Google の購入履歴の画面を、Web 購入なら「Your receipt from Anthropic」のメールを手元に置きます。私はここで「どの経路で買ったか」を言えずに往復を増やしたことがあり、いまは最初の一通に必ず書くようにしております。
なお、支払いそのものが通らない——カードが拒否される——症状は、この記事の範囲の手前にあります。その場合は Claude の支払いでクレジットカードが拒否されるときの対処 のほうが近いはずです。
まずは、ログイン中のメールアドレスを一度だけ確かめてください
無料のままに見えた日、私が最初にすべきだったのは、再読み込みでもキャッシュの削除でもなく、画面の左下に出ている自分のアドレスを一度読むことでした。それだけで、どの経路の話なのかが決まります。
同じ表示に出会った方は、まず左下のイニシャルをクリックして、そこに出るアドレスが支払いに使ったものと同じかを見るところから始めていただければと思います。経路が決まれば、見る画面は一か所で済むのです。