デザインカンプからLP実装へ、新しいアプローチ
かつてWebサイトを作成するには、コーディングスキルが必須でしました。デザイナーとエンジニアの分業体制が当たり前だった時代も、もう過去です。
Claude Codeの登場によって、状況は劇的に変わりましました。Figmaで作成したデザインカンプを見ながら、AIとの対話だけで本格的なランディングページを実装できる時代がやってきたのです。
重要なのは「やみくもに実装させない」こと。むしろ計画と準備の段階こそが、成功の鍵になります。このガイドでは、デザインカンプから実装完了まで、段階的かつ効率的に進めるための実践的アプローチをお伝えします。
準備フェーズ — Plan Modeで設計を言語化する
Claude Codeで最も多い失敗パターンは「いきなり実装に入る」ことです。特にAuto-Accept Modeを使っていると、AIが勝手に進めてしまい、あなたの意図と異なる補完が入る可能性があります。
重要なのは Plan Mode の活用 です。
Plan Modeでは、Claude Codeが最初に「実装計画」を提示してくれます。これはあなたが承認する前の段階。ここで以下をチェックしましょう:
- 技術スタックの選択(Next.js?Astro?HTML+CSS?)
- ディレクトリ構成の妥当性
- コンポーネント分割の粒度
- スタイリング方式(Tailwind CSS?CSS Modules?)
具体的な手順:
Plan Modeをオンにした状態で、プロジェクト概要を説明するプロンプトを送ります。
# Claude Code Plan Mode での指示例
私はFigmaで作成した SaaS向けランディングページのデザインカンプを持っています。
実装予定:
- ヘッダー(ナビゲーション付き)
- ヒーロー セクション(背景動画付き)
- 機能紹介(3列グリッド)
- 料金表(3プラン)
- よくある質問(アコーディオン)
- フッター
技術スタック:Next.js 16(App Router)+ Tailwind CSS
ターゲット:モバイル・タブレット・デスクトップ対応
実装計画を立ててもらえますか?各セクションごとの実装順序と、ファイル構成を教えてください。
このように事前に計画を立てることで、後から「やっぱり構成を変えたい」という手戻りを最小化できます。
CLAUDE.mdの設計 — プロジェクトの「設計書」を書く
実装開始前に、プロジェクトのルールを1つのMarkdownファイルにまとめましょう。これが CLAUDE.md です。
CLAUDE.mdに記載すべき内容:
# LP実装ガイド
## プロジェクト概要
SaaS向けランディングページ実装プロジェクト
## 技術スタック
- フレームワーク: Next.js 16 (App Router)
- スタイリング: Tailwind CSS v3
- フォント: Google Fonts(Sora, Roboto)
- アニメーション: CSS Animations(可能ならFramer Motionは不要)
- ホスティング: Vercel
## ディレクトリ構成app/ ├── page.tsx # メインページ ├── layout.tsx # グローバルレイアウト └── globals.css # グローバルスタイル
components/ ├── Header.tsx # ヘッダー ├── Hero.tsx # ヒーロー ├── Features.tsx # 機能紹介 ├── Pricing.tsx # 料金表 ├── FAQ.tsx # よくある質問 └── Footer.tsx # フッター
public/ ├── images/ # 画像ファイル └── videos/ # 動画ファイル
## 命名規則
- コンポーネント: PascalCase(Header.tsx)
- CSSクラス: kebab-case(hero-section)
- 状態管理: camelCase(isMenuOpen)
## カラーパレット
- Primary: #3B82F6(青)
- Secondary: #8B5CF6(紫)
- Background: #FFFFFF
- Text: #1F2937(濃いグレー)
## レスポンシブブレークポイント
- モバイル: 0px 〜 640px
- タブレット: 641px 〜 1024px
- デスクトップ: 1025px 〜
## 重要な実装ルール
- 内部リンクは相対パスで記述
- 画像は Next.js Image コンポーネントを使う
- フォントは layout.tsx で一括読み込み
- ダークモード対応は未定(ライトモードのみ)
このファイルをClaude Codeと共有することで、AIが一貫した品質で実装を進められます。毎回「このプロジェクトのルールはこれです」と説明する手間が減るのです。
セクション分割で実装精度を上げる
LP全体を一気に実装させてはいけません。セクション単位に分割して、段階的に進めることが精度向上の秘訣です。
推奨される実装順序:
- Header(ナビゲーション) → 全ページ共通の基盤
- Hero → 最も視認性が高いセクション
- Features → メインコンテンツ
- Pricing → コンバージョン要素
- FAQ → ユーザーの疑問解決
- Footer → 法的情報・リンク集
- グローバルスタイル調整 → 統一感の確保
各セクションを実装する際は、デザインカンプの該当部分を 明確に指示 しましょう。
# セクション別実装指示の例
## Headerの実装
デザインカンプのページトップを見てください。
以下の要素を含む Header コンポーネントを作成してください:
1. ロゴ(テキスト "SAAS")
2. ナビゲーションメニュー(Features, Pricing, Contact)
3. CTA ボタン("Get Started")
要件:
- デスクトップ: 横並び表示
- モバイル: ハンバーガーメニュー
- 固定ヘッダー(スクロール時も画面上部に表示)
- 背景: 白、ボーダー下部: 浅いグレー
color.primary を使用してください。
このように具体的かつ制限的な指示をすることで、実装のぶれが少なくなります。
デザインカンプとの差分を詰める
実装が完了した後、デザインカンプと見比べて差分を確認します。ここで重要なのは 「なぜ違うのか」を理解すること です。
一般的な差分ポイント:
- 色の濃淡 → RGB値を正確に指定していたか
- フォントサイズ → デザインカンプ通りのサイズか
- 余白(パディング・マージン) → 「スペーシング」を統一ルールに従わせたか
- 行間(line-height) → テキストが詰まりすぎていないか
- ボタンのサイズ → クリッカブル領域が十分か(最小 44×44px)
差分を見つけたら、Claude Codeに修正を依頼する際は、具体的に指摘しましょう。
# 差分修正の例
Header のロゴ部分で差異を確認しました。
デザインカンプ:
- フォント: Sora Bold, 24px
- 色: #1F2937
- ロゴ下のボーダー: 薄いグレー, 1px
現在の実装:
- フォントサイズが18pxになっている
- ボーダーカラーが濃すぎる
修正してください。
このような「比較指示」により、AIも修正ポイントを理解しやすくなります。
画像と動画の最適化
デザインカンプに含まれる画像や動画は、そのままでは使えません。最適化が必要です。
画像の準備:
- 形式: WebP推奨(Figmaから PNGエクスポート → WebPに変換)
- 解像度: デスクトップ表示用は最大1200px幅
- ファイルサイズ: 1枚あたり100KB以下
# ImageMagick を使った WebP 変換例
convert hero.png -quality 80 hero.webp
# 複数画像の一括変換
for file in *.png; do
convert "$file" -quality 80 "${file%.png}.webp"
done動画の準備:
- 形式: MP4(H.264コーデック)
- 解像度: 1920×1080 or 1280×720
- ファイルサイズ: 5MB以下(初期読み込みで差し支えない程度)
- オートプレイ設定: muted属性必須(ほとんどのブラウザで音声なし再生が必須)
Claude Codeに依頼する際は、画像・動画ファイルの配置パスを明記しましょう。
// Next.js での Image コンポーネント使用例
import Image from 'next/image';
export default function Hero() {
return (
<section className="hero-section">
<Image
src="/images/hero-bg.webp"
alt="SaaS platform overview"
width={1200}
height={600}
priority
/>
</section>
);
}全体を振り返ってと次のステップ
デザインカンプからClaude Codeを使ってLPを実装する道のりは、思ったより近いものです。重要なのは以下の3点です:
- 事前計画を丁寧に → Plan Modeで設計を確認し、CLAUDE.mdで統一ルールを記述
- セクション分割で実装 → 全体ではなく部分ごとに、段階的に進める
- 差分を確実に詰める → 最後に目視確認と修正を繰り返す
これらのアプローチを守れば、コーディング未経験でも品質の高いLPが完成します。
次のステップとしては、より詳細な品質向上テクニックを学ぶことをお勧めします。レスポンシブ対応、アニメーション実装、パフォーマンス最適化など、プロレベルのLP実装へ進むための技術があります。
さあ、デザインカンプを開いて、Claude Codeとの対話を始めましょう。あなたのビジョンが、確実にコードへ姿を変える瞬間を体験してください。