Suno AI とは
Suno AI は、テキストプロンプトから楽曲を自動生成できる AI 音楽プラットフォームです。2023 年のリリース以降、急速にユーザーを拡大し、2026 年 2 月時点で有料ユーザー数は 200 万人、年間経常収益(ARR)は 3 億ドルに達しています。
最新のバージョン V5 では、44.1 kHz ステレオの高品質オーディオ出力に対応し、ボーカルの表現力や日本語の発音精度も大幅に向上しています。楽曲の長さも最大 4 分以上の生成が可能になりました。
なぜ Claude と組み合わせるのか
Suno AI の楽曲生成は「歌詞」「スタイルタグ」「タイトル」の 3 つのテキスト入力がベースです。つまり、テキスト生成に優れた Claude と組み合わせることで、以下のメリットが得られます。
Claude は自然言語処理に優れているため、テーマやムードを伝えるだけでジャンルに合った歌詞を生成できます。また、Suno のスタイルタグ(ジャンル、BPM、楽器構成)の選定を Claude に相談することで、意図した雰囲気の楽曲を効率的に作れます。さらに、Claude Code や Cowork から MCP サーバーを通じて Suno API を直接呼び出せば、会話の中で作詞から楽曲生成、リミックスまで一気通貫で行えます。
基本ワークフロー:Claude で歌詞を書いて Suno で曲にする
Step 1: テーマを Claude に伝える
まず Claude に楽曲のテーマ、ターゲット、ムードを伝えます。
夏の終わりをテーマにした、少しノスタルジックな J-Pop の歌詞を書いてください。
サビは覚えやすいメロディに乗るように、短いフレーズの繰り返しを意識してください。
構成は Verse 1 → Chorus → Verse 2 → Chorus → Bridge → Final Chorus でお願いします。
Claude は曲構成を理解しているので、Verse、Chorus、Bridge などのセクションごとに整理された歌詞を出力します。
Step 2: Suno 用にフォーマットする
Suno のカスタムモードでは、歌詞にセクションタグを付けて入力します。Claude に以下のように依頼すると、そのまま Suno に貼り付けられる形式で出力してくれます。
この歌詞を Suno AI のカスタムモード用にフォーマットしてください。
[Verse]、[Chorus]、[Bridge] などのセクションタグを付けてください。
出力例:
[Verse 1]
夕焼けに溶けていく 最後の花火の音
砂浜に残した 二人の足跡
[Chorus]
もう一度だけ もう一度だけ
あの夏に帰れたら
[Verse 2]
風鈴の音が遠く 記憶の中で揺れる
かき氷の甘さが まだ舌に残ってる
[Chorus]
もう一度だけ もう一度だけ
あの夏に帰れたら
[Bridge]
時間は止まらないと 知っていたはずなのに
写真の中の笑顔が 眩しすぎて
[Chorus]
もう一度だけ もう一度だけ
あの夏に帰れたら
Step 3: スタイルタグを設計する
Suno のスタイルタグは楽曲のジャンルや雰囲気を指定するための重要な要素です。Claude に相談すると、テーマに合ったタグを提案してくれます。
この歌詞に合う Suno AI のスタイルタグを提案してください。
ジャンルは J-Pop で、テンポはミディアム、少し切ない雰囲気です。
Claude の提案例:
J-Pop, Nostalgic, Mid-tempo, Acoustic Guitar, Female Vocal, Emotional, Summer
Step 4: Suno で楽曲を生成する
Suno のカスタムモードを開き、以下を入力します。
- Lyrics: Claude が生成した歌詞(セクションタグ付き)
- Style of Music: Claude が提案したスタイルタグ
- Title: 楽曲のタイトル
「Create」を押すと、約 30 秒〜1 分で 2 つのバリエーションが生成されます。
応用テクニック
Claude Projects で作曲スタイルを記憶させる
Claude.ai の Projects 機能を使うと、好みのジャンルやスタイルの指針を「プロジェクトナレッジ」として保存できます。
たとえば、以下のような情報をプロジェクトに登録しておきます。
## 作曲スタイルガイド
- ジャンル: シティポップ、フューチャーファンク
- BPM: 110-130
- 楽器: シンセ、スラップベース、エレピ
- ボーカル: 男性、やや高音
- 歌詞の特徴: 都会の夜、ドライブ、ネオンライト
- Suno スタイルタグ: City Pop, Funky, Synth, Groovy, Male Vocalこうすることで、毎回細かい指示を書かなくても、一貫したスタイルの楽曲を効率的に量産できます。
歌詞のバリエーション展開
一つのテーマから複数のバージョンを作りたい場合、Claude に以下のように指示します。
この歌詞を以下の 3 パターンでリライトしてください:
1. 明るいポップ調(サビを跳ねるリズムに合うように)
2. バラード調(切なさを強調して)
3. ロック調(力強い言葉で)
それぞれ Suno のスタイルタグも一緒に提案してください。
Claude は各バージョンの歌詞とスタイルタグをセットで出力するので、Suno で一気に 3 パターンの楽曲を試せます。
Suno の Extend 機能と組み合わせる
Suno には既存の楽曲を延長する「Extend」機能があります。2 分の楽曲を生成した後、続きの歌詞が必要な場合は Claude に依頼します。
以下の歌詞の続き(Verse 3 と Final Chorus)を書いてください。
既存の歌詞のトーンとテーマを維持してください。
[既存の歌詞を貼り付け]
MCP サーバーによる直接連携
概要
Model Context Protocol(MCP)を使えば、Claude Code や Cowork から Suno の API を直接呼び出して、会話の流れの中で楽曲生成ができます。
現在、コミュニティにより複数の Suno MCP サーバーが公開されています。
- suno-mcp(GitHub: sandraschi/suno-mcp)— Python ベースの MCP サーバー
- suno-mcp(GitHub: CodeKeanu/suno-mcp)— Claude Code 向け MCP サーバー
- AceDataCloud MCP Suno — AceDataCloud API 経由の統合サーバー
セットアップ例(Claude Code)
Claude Code のプロジェクト設定ファイル .mcp.json に以下を追加します。
{
"mcpServers": {
"suno": {
"command": "npx",
"args": ["-y", "suno-mcp-server"],
"env": {
"SUNO_API_KEY": "your-api-key-here"
}
}
}
}Suno は公式の一般公開 API を提供していないため、API キーは sunoapi.org などのサードパーティプロバイダーから取得する必要があります。
MCP 経由での楽曲生成
設定が完了すると、Claude Code のチャット内で以下のような自然言語による楽曲操作が可能になります。
「夜のドライブ」をテーマにしたシティポップの曲を作って。
歌詞は日本語で、男性ボーカルで。BPM は 120 くらいで。
MCP サーバーを介して Claude が自動的に Suno API を呼び出し、楽曲が生成されます。生成された楽曲の URL がチャット内に返ってくるので、そのまま再生や確認ができます。
プロンプト設計のコツ
ジャンル別のスタイルタグ例
Claude に相談する際の参考として、ジャンル別の代表的なスタイルタグをまとめます。
J-Pop / シティポップ:
J-Pop, City Pop, Synth, Groovy, Catchy, Japanese
ロック / オルタナ:
Rock, Alternative, Electric Guitar, Distortion, Energetic, Drums
エレクトロ / EDM:
Electronic, EDM, Synth, Bass Drop, High Energy, Dance
アコースティック / バラード:
Acoustic, Ballad, Piano, Emotional, Slow, Heartfelt
Lo-fi / チル:
Lo-fi, Chill, Hip Hop Beat, Mellow, Relaxing, Ambient
歌詞プロンプトのテンプレート
以下のテンプレートを Claude に渡すと、効率的に歌詞を生成できます。
以下の条件で楽曲の歌詞を書いてください。
テーマ: [テーマ]
ジャンル: [ジャンル]
ムード: [明るい/切ない/力強い/穏やか]
構成: [Verse-Chorus-Verse-Chorus-Bridge-Chorus]
言語: [日本語/英語/バイリンガル]
特別な指示: [サビにフック感を持たせる、韻を踏む、等]
出力形式:
- Suno のセクションタグ付き
- スタイルタグの提案も含めて
料金プランと注意点
Suno AI の料金体系(2026 年 3 月現在)
Suno AI には以下のプランがあります。
Basic Plan(無料) では、1 日 50 クレジットが付与されます。楽曲の商用利用はできません。
Pro Plan(月額 $10) では、月 2,500 クレジットが付与され、商用利用が可能です。
Premier Plan(月額 $30) では、月 10,000 クレジットが付与され、Suno Studio の全機能が利用可能です。
著作権について
2025 年 11 月にワーナー・ミュージック・グループ(WMG)と提携したことで、Suno の著作権に関するポリシーが整備されつつあります。有料プランで生成した楽曲はストリーミング配信やダウンロード販売による収益化が可能です。
ただし、既存の楽曲に酷似した出力が生成される可能性は排除できないため、商用利用の際は生成された楽曲を確認し、既存曲との類似性に注意してください。
全体を振り返って
Suno AI と Claude を組み合わせることで、アイデア出しから歌詞作成、楽曲生成までを効率的なワークフローとして構築できます。
基本的な使い方としては、Claude で歌詞を生成してスタイルタグを設計し、Suno のカスタムモードに貼り付けて楽曲を生成するフローがおすすめです。より自動化を進めたい場合は、MCP サーバーを導入して Claude Code や Cowork から直接楽曲生成を行うこともできます。
音楽制作の経験がなくても、Claude にテーマやムードを伝えるだけでプロフェッショナルな楽曲を作れる時代になりました。まずは無料プランで試してみてください。