長い応答を読み進めている最中に、突然会話がフリーズして「応答が未完了です」「Claude is not responding. Try stopping」という案内が表示され、そのまま続きが読めなくなってしまう。この症状は Web 版の Claude でも Claude Code でもよく起こり、対処を知らないと毎回セッションをやり直すしかありません。
実はこの「未完了」状態は、ひとつの原因で起きているわけではありません。ネットワーク、応答生成、ツール実行、ブラウザ側の状態 — 少なくとも 4 つの層のいずれかで止まっています。どの層が原因かを最初に切り分けないまま「リロードする」「ログアウトしてログインし直す」を繰り返しても、根本原因には届きません。ここでは症状ごとの見分け方と、層ごとの具体的な復旧手順を順番に整理します。
まず確認したい 3 つのサイン
「応答が未完了です」と表示されたときに、まず次の 3 点を目視で確認してください。復旧手順が全く変わります。
ひとつ目は、応答の途中でカーソル(白い点滅)が残っているかどうか。残っていれば Claude はまだ生成を試みています。これは「タイムアウト」か「サーバー側のストリーミング切断」のサインで、続きを生成し直せば多くの場合復旧します。
ふたつ目は、直前にツール呼び出し(Bash/Edit/Read など)が走っていたか。Claude Code でよく詰まるのはこのケースで、ツールの実行が終わらないままメッセージだけ「未完了」になることがあります。
みっつ目は、応答の終端付近でコードブロックや長い Markdown が生成されていたか。生成トークンが出力上限に当たった「max_tokens 到達」による途中停止であり、これは内容次第で追加リクエストが必要です。
この 3 点を確認してから、以下に進みます。
症状 1: 読み込み中のまま止まった — ネットワーク層の問題
画面に生成中のインジケーターは出ているのに、何分経ってもトークンが届かありません。これは Claude 自体ではなく、ブラウザと Anthropic 側の間の接続 が切れている可能性が高いパターンです。
私自身の経験では、VPN や企業プロキシ経由でアクセスしているときに一番起こります。ストリーミングレスポンス(Server-Sent Events)はアイドル状態になると中間プロキシが切断することがあり、長考モード(Extended Thinking)の最中にちょうど切断が重なると、このフリーズが起きます。
対処は次の順番で試します。
まず、画面右上の Stop ボタンを押して、一度生成を止めます。このときページをリロードしない のが重要です。リロードすると、未完了の応答が失われる代わりに、続きをリクエストするボタンが消えてしまいます。
次に、Web 版なら同じ画面で「Continue」(または「Try again」)を押します。Claude Code CLI の場合は claude --continue で直前のセッションを継続できます。多くの場合、この操作だけで残りの応答が生成されます。
それでも駄目なら、VPN・プロキシ・企業ファイアウォールを一度外して再試行します。Claude の API ドメイン(api.anthropic.com)への長時間接続が許可されているかを、管理者に確認する価値があります。
症状 2: ツール実行中に止まった — Claude Code 特有の問題
Claude Code で「Try stopping the current command」と表示されるケースは、ツール呼び出しが何らかの理由で終わらない状態です。代表例は以下です。
- Bash ツールで起動したプロセスが標準入力を待っている(対話型コマンドの誤使用)
- 巨大なファイル(数 MB 以上)を Read しようとして、モデルのコンテキストが飽和
- サブエージェントが深いループに入り、応答が返ってこない
対処としてはまず、Ctrl+C を押して現在のツール呼び出しを中断します。止まらない場合は Esc を 2 回押すと、Claude Code は「ツール中断」を試みます。これで抜けられることが多いです。
止まっているのが Bash ツールだと分かっている場合は、別ターミナルから ps aux | grep claude で Claude Code のプロセスを特定し、ツール実行用の子プロセスだけ kill します。親プロセスを kill するとセッション全体が落ちるので、PID を見分けてからにしてください。
対話型コマンド(vim, top, less など)を Claude Code に実行させてしまって止まった場合は、今後のためにユーザー指示で「対話型コマンドは使わず、非対話モードのオプション(--batch, --no-pager など)を常に付けること」と明示しておくと、再発を防げます。
症状 3: 応答の末尾でいきなり切れた — 出力トークン上限への到達
コードや長文を生成中に、文の途中で突然「応答が未完了です」と表示された場合は、出力トークンの上限 に達した可能性が高いです。2026 年時点の Claude では、応答の最大長は用途によって異なりますが、Claude Code で一度に生成できるトークン数には実質的な上限があります。
この症状を見分ける手がかりは、生成された文章が「意味のある文の途中で」終わっていることです。コードブロックが閉じていない、リストの項目が途中で切れている、といった状態です。
対処は単純で、「続きをお願いします」「直前の応答の続きを出力してください」とリクエストするだけです。このとき、Claude は省略せずに続きを生成するように指示するのがポイントで、「from where you stopped」のようなフレーズも有効です。
ただし、毎回この症状が出るようなら、そもそも一度の応答に詰め込み過ぎている のが根本原因です。タスクを複数の小さなステップに分割し、各ステップで完結するように依頼すると、生成が安定します。例えば「この 5 つのファイルをすべて書き換えてください」と一度に頼むより、「まず 1 つ目のファイルを書き換えてください」と 1 ファイルずつ指示する方が、長い目で見て成功率が上がります。
症状 4: Extended Thinking の途中で止まった
Claude の長考モード(Extended Thinking / 拡張思考)を有効にしているとき、考えている最中に応答が未完了になるケースがあります。これは思考用のトークン消費が想定より膨らみ、実際の応答トークンが足りなくなる場合に起きやすいです。
対処としては、同じ質問を長考モードなしで一度試してみてください。通常モードで応答が返るなら、「思考予算」を小さくするか、タスクを分割して再度長考モードで依頼します。Claude Code では /think コマンドの強度(think / think hard / ultrathink)を調整することで、思考トークンの消費量を制御できます。
どうしても復旧しない場合の最後の手段
ここまでの手順で解消しない場合は、セッション自体を破棄するしかありません。ただし、そのときに次のことを試すと、多くの場合やり直しで同じ症状に遭わずに済みます。
まず、claude --resume ではなく新しいセッションで始め直します。過去のコンテキストを大幅に圧縮した状態から再開できます。次に、作業ディレクトリに CLAUDE.md を用意し、「今やろうとしている作業の前提」を簡潔に書いておきます。これがあると、セッションをやり直しても失った文脈を最小限の入力で復元できます。
そして最後に、どの症状でどう対処したかを簡単にメモしておくことをお勧めします。同じ症状は数日後に再発しがちで、記録があれば次回は 1 分で解決できます。
困ったときに最初に見るチェックリスト
「応答が未完了です」と出たら、次の順序で確認するだけで、多くのケースで復旧できます。
- 画面に生成中のインジケーターがあるか(ある = ネットワーク系 / ない = 生成終了済み)
- 直前にツール呼び出しが走っていたか(走っていた = Ctrl+C → Esc×2)
- 末尾が文の途中で切れているか(切れている = 「続きを出力して」と依頼)
- Extended Thinking を使っていたか(使っていた = 通常モードで試す)
この 4 つを順番に確認するだけで、ほとんどの「応答が未完了」状態は自力で復旧できます。次に同じ症状に遭ったときは、セッションを捨てる前にまずこのチェックリストを回してみてください。