Claudeがあなたのパソコンを直接操作できる時代に
2026年3月23日、Anthropicは大きなアップデートを発表しました。Claude CoworkとClaude Codeが、macOS上でコンピュータを直接操作できるようになったのです。
これまでのClaude Coworkは、テキストベースのやり取りやファイル生成が中心でしました。しかし今回のアップデートにより、Claudeがマウスのクリック、キーボード入力、ブラウザ操作、ファイルの開閉といった実際のデスクトップ操作を自律的に行えるようになりました。
コンピュータ操作機能とは何か
従来のClaudeとの違い
従来のClaude Coworkでは、以下のような操作が可能でしました。
- テキストの生成・編集
- ファイルの作成・読み取り
- コードの実行(サンドボックス環境内)
- MCPコネクタを通じた外部サービス連携
今回のコンピュータ操作機能では、これに加えて以下が可能になります。
- 画面の認識: スクリーンショットを撮影し、表示内容を理解する
- マウス操作: クリック、ドラッグ、スクロールを実行
- キーボード入力: テキスト入力やショートカットキーの実行
- アプリケーション操作: ファイルを開く、ブラウザでページを閲覧する、開発ツールを起動する
動作の仕組み
コンピュータ操作機能は、以下のような流れで動作します。
ユーザーの指示
↓
Claude がタスクを分解
↓
スクリーンショットを撮影して画面を認識
↓
必要な操作(クリック・入力など)を実行
↓
結果を確認して次のステップへ
↓
完了を報告
Claudeはまず、接続済みのMCPコネクタ(Google Workspace、Slackなど)を優先的に使用します。コネクタが利用できない場合に、コンピュータ操作機能がフォールバックとして使われる設計です。これにより、可能な限り安全で効率的な方法が選択されます。
セットアップ手順
前提条件
コンピュータ操作機能を利用するには、以下の条件を満たす必要があります。
- macOSを使用していること(Windows x64は今後対応予定)
- Claude ProまたはClaude Maxプランに加入していること
- Claude デスクトップアプリがインストール済みであること
Step 1: デスクトップアプリの更新
まず、Claudeデスクトップアプリを最新バージョンに更新してください。
# Claude Code の場合はターミナルから更新確認
claude --version
claude updateCoworkの場合は、デスクトップアプリの設定画面からアップデートを確認できます。
Step 2: コンピュータ操作の有効化
Coworkでは、設定画面からコンピュータ操作を有効にします。
- Claudeデスクトップアプリを開く
- Settings(設定) → Desktop app を選択
- Computer use のトグルをオンにする
Claude Codeの場合は、設定ファイルで有効化できます。
// ~/.claude/settings.json
{
"permissions": {
"computer_use": true
}
}Step 3: アクセシビリティ権限の付与
macOSでコンピュータ操作を許可するために、アクセシビリティ権限を付与する必要があります。
- システム設定 → プライバシーとセキュリティ → アクセシビリティ を開く
- Claudeアプリを一覧に追加し、トグルをオンにする
この権限がないと、Claudeは画面の読み取りやマウス・キーボード操作を行えません。
実践的な活用例
1. ファイル整理の自動化
散らかったデスクトップやダウンロードフォルダを整理する例です。
あなた: ダウンロードフォルダの中身を種類ごとに整理して。
画像はPicturesフォルダ、PDFはDocumentsフォルダに移動してほしい。
Claude: 承知しました。ダウンロードフォルダを確認します。
[Finderを開いてファイルを確認]
→ 画像ファイル 15件をPicturesフォルダに移動しました
→ PDFファイル 8件をDocumentsフォルダに移動しました
→ 完了しました。残りのファイル一覧をお見せしますか?
2. ブラウザでのリサーチ作業
Claudeにブラウザを操作させて、情報収集を自動化できます。
あなた: Next.js 16 の App Router の新機能について調べて、
要点をMarkdownファイルにまとめてほしい。
Claude: ブラウザで公式ドキュメントを確認します。
[Chromeを開いて nextjs.org にアクセス]
[ドキュメントを読み取り]
→ nextjs16-app-router-notes.md を作成しました。
3. 開発ワークフローの効率化(Claude Code)
Claude Codeでは、開発ツールの操作も可能です。
# Claude Code でコンピュータ操作を活用
claude "Xcodeでプロジェクトを開いて、ビルドエラーを確認して修正して"Claude: Xcodeを起動してプロジェクトを開きます。
[Xcodeでビルドを実行]
→ 3件のビルドエラーを検出しました
→ エラー1: 型の不一致(ContentView.swift:42行目)→ 修正済み
→ エラー2: 未使用のインポート(AppDelegate.swift:3行目)→ 修正済み
→ エラー3: Optional の強制アンラップ(NetworkManager.swift:78行目)→ 安全なアンラップに修正
→ ビルド成功を確認しました。
4. Dispatchとの連携 — スマホから遠隔操作
Dispatch機能と組み合わせると、スマートフォンからMac上のClaudeにタスクを指示できます。外出先から「あのファイルをメールで送っておいて」といった操作が可能になります。
Dispatchの詳しい設定方法については、Claude Dispatch完全ガイド — スマホからCoworkを遠隔操作をご覧ください。
セキュリティと注意事項
許可制の操作モデル
コンピュータ操作機能は、デフォルトで許可制になっています。Claudeが重要な操作(ファイルの削除、アプリのインストール、設定の変更など)を行う前に、ユーザーに確認を求めます。
推奨されるセキュリティ対策
Anthropic自身も、以下の点に注意するよう推奨しています。
- 機密情報の取り扱い: パスワードやAPIキーが画面に表示された状態でコンピュータ操作を使わない
- 金融取引: オンラインバンキングや決済操作にはコンピュータ操作機能を使わない
- 不在時の操作: 離席中にタスクを実行させる場合は、操作範囲を明確に指定する
コネクタ優先の設計思想
前述のとおり、Claudeは可能な限りMCPコネクタを優先します。たとえばSlackにメッセージを送る場合、Slackコネクタが接続されていればAPIを通じて直接送信します。コネクタがない場合にのみ、ブラウザでSlackを開いてメッセージを入力するという流れになります。
この設計により、操作の信頼性と速度が向上し、意図しない画面操作のリスクが軽減されます。
コンピュータ操作 vs MCP コネクタ — どちらを使うべきか
それぞれの方法には特徴があります。
MCPコネクタが適している場面は、特定のサービスとの定型的な連携(Slackへの投稿、Google Driveへのファイル保存、Asanaのタスク更新など)です。APIを直接呼び出すため、高速で安定しています。
コンピュータ操作が適している場面は、コネクタが用意されていないアプリケーションの操作や、GUIでしかできない作業(デザインツールの操作、複数アプリをまたぐワークフローなど)です。
実際の運用では、両方を組み合わせるのが最も効果的です。Claudeが自動的に最適な方法を選択してくれるので、ユーザーが意識する必要はほとんどありません。
全体を振り返って — デスクトップ操作の新しい形
Claude CoworkとClaude Codeのコンピュータ操作機能は、AIアシスタントの活用範囲を大きく広げるアップデートです。テキストベースのやり取りを超えて、実際のデスクトップ操作を委任できるようになったことで、日常の作業効率が飛躍的に向上する可能性があります。
セットアップは数分で完了しますので、Claude ProまたはMaxプランをお使いの方は、ぜひ今日から試してみてください。まずは簡単なファイル整理やブラウザでのリサーチから始めて、徐々に複雑なワークフローへ広げていくのがおすすめです。
Coworkの自動化スキル全般については、Cowork自動化スキル完全ガイドも合わせてご覧ください。