「また Dropbox が散らかってきた」——気づいたら Screenshots フォルダに 300 枚の PNG が溜まり、Downloads には解凍前の ZIP がいくつあるのかも分からなくなっていませんか。
私自身、アプリ開発とアート活動を並行していると、プロジェクトごとのアセット、書き出した PDF、キャプチャ画像、参考資料がどんどん混在してしまいます。手動で整理しようとするたびに 1 時間以上かかって、しかも翌月にはまた同じ状態に戻っている——その繰り返しでした。
Cowork を使いはじめてから、このサイクルをようやく断ち切れました。ここではDropbox フォルダの整理を Cowork で自動化した実際のワークフローをお伝えします。
Cowork が Dropbox に対してできること
まず前提として整理しておきます。Cowork は、マウントしたフォルダ(Dropbox を含む)を対象に次の操作が得意です。
- ファイルの読み取り・移動・コピー・削除
- ファイル名のパターン認識と一括リネーム
- スケジュールタスクによる定期実行
- bash コマンドを使った重複ファイルの検出
Dropbox フォルダは macOS 上では通常 ~/Library/CloudStorage/Dropbox/ にマウントされており、Cowork からアクセスできます。最初にフォルダ選択でこのパスを指定しておくだけで、以降は自動的に読み書きが可能になります。
実践①:ダウンロードフォルダを種類・日付でカテゴリ分け
まず一番散らかりやすい Dropbox 直下や Downloads フォルダの整理から始めましょう。
Cowork に以下のようなプロンプトを渡します。
Dropbox/Downloads フォルダ内のファイルを次のルールで整理してください。
- 拡張子が .png .jpg .webp .heic → Dropbox/Photos/{YYYY-MM}/ に移動
- 拡張子が .pdf .docx .xlsx .pptx → Dropbox/Documents/{YYYY-MM}/ に移動
- 拡張子が .zip .tar.gz .dmg → Dropbox/Archives/ に移動(解凍済みなら削除候補としてリストアップ)
- 上記に当てはまらないもの → Dropbox/Unsorted/ に移動
移動前に「対象ファイル数と移動先のプレビュー」を表示してください。
実際に移動するのは確認後にします。
「プレビューを先に出す」指示を入れることがポイントです。Cowork は指示どおりに一覧を出した後で移動を実行するので、想定外のファイルが含まれていても安心して確認できます。
移動後のフォルダ構成は次のようなイメージになります。
Dropbox/
├── Photos/
│ ├── 2026-03/
│ └── 2026-04/
├── Documents/
│ ├── 2026-03/
│ └── 2026-04/
├── Archives/
└── Unsorted/
月別サブフォルダはファイルの更新日時を使って自動振り分けするので、「とりあえず全部突っ込んでいた」状態から一気に構造化できます。
実践②:重複ファイルを検出して安全に削除する
ファイル名が違っても中身が同じファイル(「画像_最終.png」「画像_最終2.png」など)は、手動では見つけにくい厄介な存在です。Cowork は bash 経由でハッシュ値を使った重複検出が可能です。
Dropbox/Photos フォルダ内の重複ファイルを検出してください。
同じ内容のファイルがある場合、ファイル名・サイズ・パスを一覧にして表示してください。
削除は行わず、まずリストアップだけお願いします。
Cowork は内部的に次のような処理で重複を特定します。
# md5チェックサムで重複を検出する例
find ~/Library/CloudStorage/Dropbox/Photos -type f | \
xargs md5 2>/dev/null | \
awk '{print $4, $1}' | \
sort -k2 | \
awk 'prev_hash == $2 {print prev_line; print $0} {prev_hash = $2; prev_line = $0}'重複リストが出たら、「作成日が古い方を削除してください」「ファイルサイズが小さい方を削除してください」のように続けて指示できます。全自動で消すのが怖ければ、「削除候補を Trash フォルダに移動してください」と伝えると、本削除の前に確認できます。
実際に試したところ、2 年分の Photos フォルダで 200MB 以上の重複を発見しました。Dropbox の容量節約にも直結するので、定期的にやる価値があります。
実践③:命名規則の一括リネーム
アプリのスクリーンショット、アイコン書き出し、OGP 画像など、ファイル名がバラバラだと後から探すのが大変です。Cowork で命名規則を統一する仕組みを作っておきましょう。
Dropbox/AppAssets フォルダ内のスクリーンショットのファイル名を次の形式に統一してください。
形式:{アプリ名}_{画面名}_{日付YYYYMMDD}.png
例:
IMG_3849.png → MyApp_home_20260403.png
アプリ名は「MyApp」で固定し、画面名は現在のファイル名から推測してください。
変更前後の対応表を出してから実行します。
Cowork はファイル名から文脈を読み取り、自然な画面名を推定してリネームします。完璧な推定は難しい場合もありますが、「ざっくり揃える」だけでも検索性が格段に上がります。
特に App Store 申請用のスクリーンショットは、iPhone/iPad/Mac ごとにサイズ別に整理しておく必要があるので、このリネームワークフローが重宝します。
スケジュールタスクで毎週自動実行する
上記の整理を毎週月曜の朝に自動実行するには、Cowork のスケジュールタスク機能を使います。
Cowork の「スケジュール」から新しいタスクを作成し、プロンプトに次のように記述します。
毎週月曜日に以下の Dropbox 整理を自動実行してください。
1. Dropbox/Downloads フォルダのファイルを種類と日付でカテゴリ分け
2. Dropbox/Photos フォルダの重複ファイルを検出して削除候補リストを作成し、
Dropbox/DuplicateReport_{YYYY-MM-DD}.txt に保存
3. 実行後に「整理したファイル数・削除候補数・節約容量見込み」をサマリー表示
確認プロンプトなしで自動実行してください。
「確認プロンプトなしで」という一言で、人間が不在の状態でも完全に自動実行されます。週初めに Dropbox を開いたとき、きれいに整理された状態になっているのは気持ちのよいものです。
スケジュールタスクの詳しい設定手順はCowork スケジュールタスク入門を参考にしてください。
気をつけたい落とし穴
一点だけ注意したいことがあります。削除操作は必ずゴミ箱経由にすることをおすすめします。
Cowork に「削除してください」と指示すると完全削除になる場合があります。特に重複削除では、誤認識のリスクもゼロではありません。プロンプトに「削除ではなく Trash/ フォルダに移動してください」と明示しておくと、万が一のときでも復元できます。
もうひとつ、Dropbox の同期タイミングによっては「移動したばかりのファイルがまだ同期中」という状態もあります。整理スクリプトを実行する時間帯は、頻繁にファイルを追加しない時間帯(深夜や早朝)に設定するとトラブルが少ないです。
Cowork のファイル操作をさらに深めるなら
今回のワークフローの基礎となるファイル操作の仕組みはファイル管理とデスクトップ操作でも解説しています。また、整理作業を定期スケジュールと組み合わせた応用例はCowork でタスクを自動化するで紹介しています。
Dropbox の整理が一度形になると、「他のフォルダにも同じ仕組みを作りたい」という気持ちが自然と出てきます。まずは Downloads フォルダだけでも試してみてください。1 回目の整理で Cowork のファイル操作の力を体感できると思います。