Cowork に調べものを頼んだ午後、画面の右側に見慣れないパネルが開きました。ページが勝手に読み込まれ、カーソルが動き、フォームが埋まっていきます。Chrome のウィンドウには、何も起きていません。
しばらく眺めてから、ようやく気づきました。動いているのは私の Chrome ではなく、Claude Desktop に入っている別のブラウザです。しかも初回には「ブラウザの保存済みログインを取り込みますか」という案内まで出ていて、私は取り込みボタンの手前で手が止まりました。
最初にお伝えしたいのは、Cowork の Web 作業には二つの入口があり、どちらを既定にするかは設定で選べるということです。ここでは、公式ヘルプの現行の記述を読み直しながら、私が引いた線を書き残します。
二つのブラウザは、持ち物が違います
公式ヘルプによると、組み込みブラウザは Claude Desktop の中にあり、インストール不要で、自分の Chrome のタブやログインには触れません。一方の Claude in Chrome は、いま開いているページと、すでにサインインしているアカウントの上で動きます。
できることの幅は同じだと書かれています。違うのは、Claude が何を持った状態で動くかです。
| 見る点 | 組み込みブラウザ | Claude in Chrome |
|---|---|---|
| 動く場所 | Claude Desktop のサイドパネル | 自分の Chrome |
| 準備 | 不要 | 拡張機能の導入が必要 |
| ログイン | 空の状態から。取り込むか、その場でサインイン | いまの Chrome のサインインをそのまま使う |
| 向く場面 | Web の部分を任せて、自分は別の作業を続けたいとき | 目の前のページで、その続きを頼みたいとき |
私は、この最後の行をそのまま判断の軸にしました。手を離す作業は組み込みへ、目の前の画面は Chrome へ。
既定が決まるルールと、変えるときの手順
ここで戸惑いやすいのが、何もしていないのに既定が決まっていることです。公式ヘルプの記述はこうでした。すでに Claude in Chrome を使っている方は、Cowork の Web 作業でも Chrome が既定のままです。拡張機能がない方や、Cowork で初めてブラウザを使う方は、組み込みブラウザが使われます。
変えたいときの手順は短く、次のとおりです。
- Claude Desktop を開き、Settings から Cowork を選びます。
- Preferred browser で「Built-in browser」か「Chrome (Claude in Chrome)」を選びます。
Claude は、頼まれない限り、選んだほうを使います。会話の中で「Chrome で開いて」と名指しすれば、その回だけもう一方に切り替わる、という説明でした。
取り込みボタンの前に、三つ決めました
初回に出る「Import cookies」は、保存済みのログインをサイト単位で持ち込む仕組みです。銀行、メール、シングルサインオンのサイトは、初期状態でチェックが外れています。取り込めるのは macOS では Chrome・Edge・Firefox から、Windows と Linux(ベータ)では Firefox からで、Safari からは取り込めません。
公式ヘルプには、見落としたくない一文もありました。組み込みブラウザの中でサインインしたものは、同じコンピューターの今後の Cowork セッションでも Claude から使える、という点です。
そこで私は、取り込む前に次の三つを決めました。
- 読むだけのサイトは、取り込んでもよいと考えました。
- 金額や個人情報を扱うサイトは、取り込みません。必要なときは Chrome 側で、自分が見ている前で動かします。
- 迷ったサイトは、最初は取り込まず、サインインが必要になった回に判断します。
「いま便利か」ではなく「次回以降も Claude に渡してよいか」で考えるようにしました。この一点だけで、チェックを入れる数がだいぶ減ったのです。
使えないときは、黙って切り替わりません
選んだブラウザが使えないとき、Claude はそれを伝えたうえで、もう一方で続けます。ただし、ブラウザを名指しで頼んで、それが使えない場合は、切り替える前に確認が入ります。意図しないアカウントで動いてしまうことがない、という意味では安心できる挙動だったと感じています。
Web やスマートフォンから頼むときは、条件が少し違います。
| 既定のブラウザ | Web・モバイルから頼むとき |
|---|---|
| 組み込みブラウザ | パソコン側の Claude Desktop が開いていて、オンラインである必要があります |
| Claude in Chrome | セッションがパソコンにつながっていれば足り、アプリを開いておく必要はありません |
外出先から頼む予定がある方は、ここで既定を決めておくと、帰宅してから「動いていなかった」と気づく事態を避けられます。なお、Team や Enterprise のプランでは、組み込みブラウザや Claude in Chrome を管理者が無効にしている場合があります。選択肢が足りないときは、管理者に確認するのが近道です。
次の一歩
まず Settings の Cowork を開いて、いまの Preferred browser を目で確かめてみてください。そのうえで、今週 Web 作業を頼む予定を一つ思い浮かべ、「手を離すのか、目の前なのか」で振り分けていただければ十分です。
許可の線引きについては、別の記事の Claude in Chrome の許可モードは「自動」にして、「常に許可」は読むだけのサイトに絞りました にまとめています。私自身、金額に触れる画面だけは、これからも自分の目の前で動かすようにしていきます。