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API & SDK/2026-07-13上級

画像を原寸で送るか縮小するか — Opus 4.7 の高解像度ビジョンで1枚ごとに解像度を決めるコスト設計

Opus 4.7 の高解像度ビジョンで壁紙の細部分類は上がったのに、全部を原寸で送ったら週のトークンが跳ねました。1枚ごとに解像度と使うモデルを決める preflight を設計し、精度を保ったままコストを下げた実測を残します。

Claude API115Vision3コスト設計5個人開発106Opus 4.7

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Dolice で運営している壁紙アプリの自動タグ付けを、2026 年 7 月に一般提供となった Opus 4.7 の高解像度ビジョンへ切り替えたとき、和柄のグラデーションや浮世絵の細い線といった「微細な差」を拾えるようになった手応えがありました。

うれしくなって、パイプラインに流れる画像を全部そのまま原寸で送りました。翌週、入力トークンの請求を見て手が止まりました。分類精度は確かに上がっていたのに、画像入力のトークンだけで前週の約 2.4 倍に膨らんでいたのです。

縮小すればいい、という話ではありませんでした。風景か人物かを分けるだけなら 512px で十分ですが、近接した重複壁紙を見分けたり、UI サンプル画像の中の小さな文字を読んだりする場面では、縮小した瞬間に精度が崩れます。必要なのは「全部を縮小する」でも「全部を原寸で送る」でもなく、1 枚ごとに、その画像がどれだけの解像度を要求するかを決めるルールでした。

個人開発で複数の壁紙アプリを回している身として、精度を守りながらコストを削る線引きは切実でした。その decision rule をどう組んだか、そして週次でどれだけコストが下がったかを、実測とともに残します。

画像トークンは面積で決まる — 縮小は「コスト」ではなく「情報量」の調整

まず把握しておきたいのは、Claude が画像に課金するトークンは、ほぼ画素の面積で決まるという点です。ドキュメント上の概算式は次の通りです。

入力トークン ≈ (幅px × 高さpx) ÷ 750

そして長辺が 1568px を超える画像、または約 115 万画素を超える画像は、API 側で自動的に縮小されてから処理されます。つまり原寸で送っても、ある大きさから先はトークンが頭打ちになり、送信帯域だけを無駄に使うことになります。

私の壁紙パイプラインで count_tokens を使って実測した、解像度ティア別のおおよその入力トークンが下の表です。式はあくまで概算なので、本番運用では必ず count_tokens エンドポイントで実測することを強く推奨します。数十トークン単位でずれます。

送信時の長辺概算画素入力トークン(実測)1万枚あたり入力コスト(Sonnet 5 導入価格 $2/M 換算)
384px約 15 万約 200約 $4.0
512px約 26 万約 350約 $7.0
768px約 59 万約 790約 $15.8
1024px約 105 万約 1,400約 $28.0
上限付近(約 115 万画素)約 115 万約 1,540約 $30.8

表を作って初めて腑に落ちたのですが、384px と 1024px では 1 万枚あたり 7 倍のコスト差があります。全部を原寸で送っていた私は、風景の分類にまで一番高い列を払っていたわけです。縮小は画質を落とす後ろ向きな操作ではなく、その判断に必要な情報量まで解像度を落とすという前向きな設計だと捉え直しました。

なお、base64 文字列としてうっかりテキスト欄に画像を詰めると、この面積ベースの課金が効かず桁違いのトークンを食います。image ブロックで渡す前提の話です。この落とし穴はツール結果の画像ブロックでトークンを節約するで詳しく検証しています。

どこで縮小が効き、どこで壊れるか

解像度を落とせるかどうかは、「そのタスクが画像のどの粒度を見ているか」で決まります。私の 30 カテゴリの壁紙分類で、縮小に耐えるものと耐えないものを仕分けると、はっきり二層に分かれました。

縮小してよい(512px で精度が落ちない)判定は、画像全体の構図やテーマを見るものでした。風景・人物・抽象・季節といった大分類は、384〜512px でも Opus 4.7 は安定して当てます。むしろ縮小したほうがノイズが減って安定する場面すらありました。

原寸が要る判定は、細部の差が結論を分けるものでした。具体的には次の三つです。

判定の種類縮小すると起きること必要な長辺の目安
微細テクスチャ(和柄・グラデーション・ノイズ加工)模様が潰れて「無地」に誤分類1024px 以上
近接重複の判定(ほぼ同じ 2 枚の差分)差分が消えて別物を「同一」と判定1024px 以上
画像内の小さな文字(サンプルUI・ロゴ)文字が読めず内容を取り違える上限付近

Opus 4.7 の高解像度ビジョン強化が効くのは、まさにこの下の層です。前のモデルでは原寸で送っても微細テクスチャの読み取りが不安定でしたが、4.7 では原寸を渡せば安定して拾うようになりました。逆に言えば、高解像度ビジョンの恩恵を受けたい画像にだけ原寸を払えばよく、それ以外は縮小で十分ということです。この線引きが decision rule の骨格になります。

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この記事で得られること
画像トークンは面積でほぼ決まる。長辺 1568px・約 115 万画素で頭打ちになる仕組みと、count_tokens で実測すべき理由
粗い分類は縮小で足りるが、微細テクスチャと小さな文字は原寸が要る。どこで縮小が精度を壊すかの線引き
縮小ティアでまず判定し、confidence と対象クラスで原寸+Opus 4.7 へ二段エスカレーションする Python コード(週次の実測付き)
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