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⬡ API & SDK/2026-08-30上級

モデルIDを一括置換する前に、手元の CLI が抱えるカタログを引きます

新しい世代が出ると、前の世代のモデルIDが急に古く見えます。インストール済みの実行ファイルに埋め込まれたカタログを引き、一致・日付不一致・書式破損の三段に仕分けてから直す手順を、実測値とスクリプトつきでまとめました。

Claude API127モデルID移行10監査運用設計28

✦ プレミアム記事

Opus 5 が最新として案内されるようになった数日後の夜、自分のサイトの記事を点検していて手が止まりました。本文に残っている claude-sonnet-4-6 と claude-opus-4-6 が、急に古い表記に見えたのです。

sed を一本書けば片づく作業に見えました。実際、置換対象を数えるところまでは進めました。日本語版の記事だけで 209 本、そのうち検索に出している記事が 56 本。指がコマンドの上に乗ったところで、ひとつ確かめていないことに気づきました。

その 4-6 系のIDは、本当に無効になったのでしょうか。

確かめないまま置換していたら、まだ有効な識別子を 56 本の記事から消し、読者のコードを動かなくする側に回っていたことになります。個人開発で一人ぶんの目しかない環境では、この種の「良かれと思って壊す」変更が一番怖い部類です。

結論から書きます。手元にインストール済みの Claude Code の実行ファイルには、その版が知っているモデルIDのカタログがそのまま埋め込まれています。ネットワークにもAPIキーにも触れずに引けます。以下は、そのカタログを取り出し、自分の資産と突き合わせ、置換の前に止めるところまでの手順です。

世代が増えたことと、IDが無効になったことは別の出来事です

この二つを混同したことが、私の判断を危うくしていました。

新しい世代の登場は「選べる選択肢が増えた」という出来事です。IDの無効化は「今まで通っていたリクエストが通らなくなる」という別の出来事で、通常は事前の告知と期日を伴います。前者が起きたからといって、後者が自動的に起きるわけではありません。

実際、私が手元の v2.1.246 から取り出したカタログには、claude-opus-4・claude-opus-4-1・claude-opus-4-5・claude-opus-4-6・claude-opus-4-7・claude-opus-4-8・claude-opus-5 が 同時に 入っていました。世代の並びは、置き換えの履歴ではなく併存の一覧として現れます。

「最新が出た」を「前のが死んだ」と読み替える癖は、リリースノートを読む速度が上がるほど強くなります。私自身、更新の追跡を日課にしているせいで、この読み替えを反射でやりかけました。いま思えば、手が止まったのは慎重だったからではなく、数え終えた数字の大きさに怖くなったからだったのかもしれません。

インストール済みの実行ファイルが、モデルカタログを抱えています

Claude Code のネイティブバイナリは、対応するモデルの識別子を文字列としてバイナリ内に持っています。バージョンを固定した状態で strings を通せば、その版が知っている集合を丸ごと見られます。

#!/usr/bin/env bash
# model_catalog.sh — インストール済み CLI からモデルIDカタログを取り出す
# 使い方: ./model_catalog.sh > catalog.txt
set -euo pipefail
 
BIN="$(command -v claude || true)"
if [ -z "$BIN" ]; then
  echo "claude が PATH にありません" >&2
  exit 1
fi
BIN="$(readlink -f "$BIN")"
 
# 参照した版を必ず記録に残す。カタログは「その版が知っている集合」でしかないため
echo "# source: $BIN" >&2
claude --version >&2
 
strings -n 8 "$BIN" \
  | grep -Eo 'claude-(opus|sonnet|haiku|fable)-[0-9][a-z0-9._@-]*' \
  | sort -u

手元の v2.1.246(/usr/local/bin/claude・約 237MB)で走らせた実測は次のとおりでした。

段階件数内容
claude- で始まる文字列(全体)233モデル以外の内部識別子を大量に含む
家族名(opus / sonnet / haiku / fable)を含むもの38ここから先が候補
IDの書式に合致するもの25そのまま使える形
書式から外れたもの13後述のとおり全部が誤りではない

claude- で始まる 233 件のうち、モデルIDらしき形をしていたのは 38 件でした。残りは claude-code-agent-id や claude-cli-internal のような内部識別子で、素朴に grep しただけでは 6 倍の雑音を抱えることになります。

なお、この方法が成立するのは実行ファイルがストリップされていない場合です。配布形態が変われば取れなくなる可能性があるので、後述するゲートには「カタログが取れなかったとき」の分岐を必ず持たせておくと安心です。

実際、別の環境で試したところ、claude コマンドの実体が約 2.3MB の小さな起動用ラッパーだけという構成に当たりました。同じ strings と grep を通しても結果は 0 件です。実行ファイルの大きさ(私の手元では約 237MB)を一度見ておくと、「取れなかった」のか「そもそも載っていない」のかを切り分けやすくなります。

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✦新しい世代が出た日に、まだ有効なIDを壊す一括置換を、実行する前に止められるようになる
✦ネットワークにもAPIキーにも触れずに、手元の実行ファイルからモデルIDのカタログを取り出せるようになる
✦1,300件を超える記載から、本当に手を入れるべき63件だけを取り出す三段の仕分けができるようになる
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