Claude Code × unity-mcp が変えるゲーム開発のかたち
Unity でゲームを作るとき、「企画書を書く → 仕様書を整理する → 実装する → テストする → ビルドして公開する」という一連の流れを一人でこなすのは大変です。特に個人開発者やハイパーカジュアルゲームの開発者にとって、この工程を効率化することは大きなテーマではないでしょうか。
そこで注目したいのが Claude Code と unity-mcp を組み合わせたゲーム開発ワークフローです。hcg-workflows というオープンソースのスキル集を使うことで、企画フェーズからWebGLビルド・GitHub Pagesへのデプロイまで、Claude Code が一貫してサポートしてくれます。
unity-mcp とは? — Claude Code から Unity Editor を操作する
unity-mcp は、MCP(Model Context Protocol)を経由して Claude Code から Unity Editor を操作できるようにするツールです。通常、Claude Code はテキストベースのコード生成やファイル操作が得意ですが、Unity のようなGUIベースの開発環境とは直接やり取りできません。
unity-mcp を導入すると、以下のことが可能になります。
- コンソールログの読み取り(
read_console)でコンパイルエラーを確認 - Play Mode の実行・停止でランタイムエラーを検出
- スクリーンショットの撮影でゲーム画面を視覚的に検証
- メニューアイテムの実行でカスタムコマンドを呼び出し
CoplayDev/unity-mcp が選ばれる理由として、Node.js などの追加ランタイムが不要でGUI中心のセットアップが可能という点があります。ゲーム開発者にとって直感的なツール名と操作感も魅力です。
hcg-workflows の8フェーズ開発ワークフロー
hcg-workflows は「仕様駆動開発(Spec-Driven Development)」というコンセプトを採用しています。AIが勝手にコードを書き始めるのではなく、まず仕様書を段階的に作成してからコードに入るという設計です。
全体フロー
| フェーズ | 内容 | 概要 |
|---|---|---|
| Phase 0 | MCP接続確認 | unity-mcp が正常に動作するかチェック |
| Phase 1 | 企画書作成 | ゲームのコンセプトとコアメカニクスを定義 |
| Phase 2 | 機能仕様 | 必要な機能を洗い出して整理 |
| Phase 3 | 技術仕様 | アーキテクチャとコンポーネント設計 |
| Phase 4 | テスト仕様 | テストケースとバリデーション基準 |
| Phase 5 | タスク分解 | 実装タスクを細分化 |
| Phase 6 | 実装 | C#スクリプトの生成と統合 |
| Phase 7 | 検証 | 3段階テスト(L1/L2/L3) |
| Phase 8 | リリース | WebGLビルド&GitHub Pages デプロイ |
この「Phase 1〜5 で仕様書を固めてから Phase 6 で実装に入る」というフローが、AIとの協調開発で重要なポイントです。仕様なしにAIにコードを書かせると、意図しない方向に進んでしまうことがよくあります。
セットアップ手順
Step 1: unity-mcp のインストール
Unity Package Manager から以下のURLを追加します。
// Unity Editor → Window → Package Manager → + → Add package from git URL
"com.coplaydev.unity-mcp": "https://github.com/CoplayDev/unity-mcp.git?path=/MCPForUnity"
インストール後、Unity Editor のツールバーに「MCP For Unity」タブが表示されます。
Step 2: Claude Code との接続
# MCP For Unity タブで以下を設定
# 1. 「Claude Code」を選択
# 2. Configure をクリック
# 3. Start Session で接続開始接続が成功すると、Claude Code から Unity Editor のコンソール読み取りやPlay Mode操作が可能になります。
Step 3: hcg-workflows スキルの追加
# スキルリポジトリのクローン
git clone https://github.com/umezy/hcg-workflows.git
# Claude Code のスキルフォルダにコピー
cp -r hcg-workflows/* .claude/skills/
# VS Code をリロードして反映これで /dev-game コマンドが使えるようになります。
主要スキルの詳細
dev-game — 8フェーズの開発管理
メインとなるスキルです。/dev-game を実行すると Phase 0 から順番に進みます。
# Claude Code のターミナルで実行
/dev-game
# 出力例:
# Phase 0: MCP接続を確認しています...
# ✅ Unity Editor と接続済み
# Phase 1: ゲーム企画書を作成します
# ゲームのジャンルやコンセプトを教えてください:unity-check — 3段階の検証システム
AIが生成したコードの品質を検証するスキルです。
# L1: コンパイルエラーチェック(最速)
/unity-check --level 1
# → read_console でエラーログを確認
# L2: ランタイムエラーチェック(Play Mode 実行)
/unity-check --level 2
# → Play → 数秒待機 → Stop → ログ確認
# L3: 視覚検証(スクリーンショット)
/unity-check --level 3
# → Play → スクリーンショット撮影 → AI が画面を分析unity-audio-generator — C#スクリプトで効果音を生成
外部の音声ファイルに依存せず、波形合成で SE や BGM を C# コードだけで生成します。
// WAV ファイルを波形パターンから生成する例
// Sine, Square, Noise などのパターンを組み合わせる
public static AudioClip GenerateJumpSE()
{
int sampleRate = 44100;
float duration = 0.3f;
int samples = (int)(sampleRate * duration);
float[] data = new float[samples];
for (int i = 0; i < samples; i++)
{
float t = (float)i / sampleRate;
// 周波数を上昇させるジャンプ音
float freq = 300f + t * 2000f;
data[i] = Mathf.Sin(2f * Mathf.PI * freq * t) * (1f - t / duration);
}
AudioClip clip = AudioClip.Create("JumpSE", samples, 1, sampleRate, false);
clip.SetData(data, 0);
return clip;
// 期待する出力: 0.3秒間の上昇周波数ジャンプ効果音
}McpRemoteControl パターン — AIによる自動テスト
[MenuItem] 属性を使って Unity Editor にカスタムメニューを登録し、AIがゲームの状態を操作できるようにします。
// AIが呼び出せるリモートコントロールメニュー
public class McpRemoteControl
{
[MenuItem("MCP/Start GodMode Test")]
public static void StartGodModeTest()
{
// プレイヤーを無敵にしてゲームを自動実行
var player = GameObject.FindWithTag("Player");
player.GetComponent<Health>().SetInvincible(true);
// 30〜70秒のゴッドモード自動テスト
EditorCoroutineUtility.StartCoroutine(AutoPlayTest(60f));
}
// 期待する動作: 無敵状態で60秒間の自動プレイテストが実行される
}全体を振り返って — AI とゲームを「一緒に」作る時代へ
Claude Code × unity-mcp のワークフローは、「AIにゲームを作らせる」のではなく「AIと一緒にゲームを作る」体験を実現するものです。仕様駆動開発によってAIの暴走を防ぎつつ、3段階の検証システムで品質を担保できます。
個人開発者やインディーゲーム開発者にとって、企画からデプロイまでの工数を大幅に削減できるこのアプローチは、試す価値が十分にあります。
Claude Code のスキル開発については「Claude Code カスタムスキル開発ガイド」、MCP サーバーの構築方法については「Claude Code で MCP サーバーを構築する方法」も参考にしてください。