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Cowork/2026-06-28上級

Cowork × GitHub MCP の自動トリアージが回を追うごとに静かにズレていくとき — 冪等性とラベル境界を保つ運用メモ

Cowork と GitHub MCP の Issue 自動トリアージは初回こそ完璧でも、無人で回し続けると重複コメント・誤再分類・レート枯渇で静かに崩れます。冪等プロンプト・ラベル境界の自己監査・件数バジェットで安定運用に持っていく実務メモです。

Cowork28GitHub MCPIssue管理冪等性4スケジュールタスク13個人開発92

プレミアム記事

自動トリアージを組んで二週間、月曜の朝に届いたレポートを見て手が止まりました。先週「確認コメント」を入れたはずの古い Issue に、今週もう一度ほぼ同じコメントが付いていたのです。通知を受け取ったユーザーからすれば、ボットが二度同じことを言ってきただけ。さらに数件、先週まで type: feature だった Issue が、今週は type: improvement に書き換わっていました。中身は何も変わっていないのに、です。

初回の手動実行はうまくいっていました。未分類の Issue を一気に片づけ、優先度が並んだバックログを見て「これは使える」と感じた直後の出来事でした。問題は、トリアージを一度きりの作業として設計してしまい、毎週繰り返し走る前提で設計しなかったことにあります。

私自身、複数のアプリと四つの技術ブログを一人で回していて、GitHub のバックログは常に後回しになります。だからこそ無人で動く仕組みに価値があるのですが、無人運用は「初回の精度」よりも「百回目も同じ結果になるか」で評価しないと、気づかないうちに信頼を損ねます。この記事は、その「静かなズレ」を生む三つの源と、それぞれを塞ぐ実装をまとめた運用メモです。GitHub MCP の基本接続は終えていて、これから定期実行に載せたい方を想定しています。

無人トリアージが崩れる三つのドリフト源

手動なら問題にならず、無人にした途端に表面化する崩れ方には、はっきりした型があります。原因を切り分けないまま「精度が悪い」と片づけると、プロンプトをいくら磨いても直りません。

ドリフト源症状根の原因
状態の非冪等同じ Issue に毎回コメントが増える/ラベルが付け直される過去の自分の処理結果を参照せずに毎回ゼロから判断している
ラベル境界のズレ中身が変わっていないのに分類が週ごとに揺れる分類基準が言語化されておらず、その週の文面の印象で決まる
レートの連鎖枯渇後半の Issue が処理されず、途中で静かに止まる取得・更新・コメントのリクエスト総量が上限に当たる

順に、なぜ起きるのかと、どう塞ぐのかを見ていきます。いずれも「指示を強くする」のではなく「状態を観測してから動く」方向で解きます。

ドリフト源1:冪等でない処理がコメントを二重に積む

冪等性(同じ操作を何度繰り返しても結果が変わらない性質)は、無人運用の土台です。手動なら「あ、これ先週やったな」と人間が覚えていますが、定期実行のセッションは毎回まっさらな状態で始まります。前回何をしたかを記録し、毎回それを読みに行く設計にしない限り、二重処理は必ず起きます。

最も実害が出るのが、ユーザーへ通知が飛ぶコメント追加です。ラベルの付け直しは静かですが、コメントは相手の受信箱を鳴らします。解決策は、自分が付けたコメントに機械可読のマーカーを埋め込み、次回はそれを見て判断することです。

[owner/repo] の Issue #<番号> に確認コメントを入れる前に、
まず get_issue でその Issue の既存コメントを取得してください。

スキップ条件(いずれかを満たせば、コメントを追加せず "skipped: already-marked" と記録):
- 本文に文字列 "<!-- cowork-triage:stale-check -->" を含むコメントが既にある

上記に当てはまらない場合のみ、次のコメントを add_issue_comment で追加してください。
末尾のHTMLコメントは目印なので必ず残してください。

---
このIssueは長く更新がないため、状態確認のコメントです。
現在のバージョンでも再現する場合はお知らせください。再現しなければクローズで構いません。
<!-- cowork-triage:stale-check -->
---

ポイントは、人間の目には見えない <!-- ... --> を識別子にしていることです。GitHub のコメント本文は HTML コメントを表示しないので、読者には自然な一文だけが見え、機械は確実に「処理済み」を判定できます。文面そのものでマッチさせると、文言を少し変えただけで重複判定が外れて二重投稿に戻るため、必ず固定マーカーで判定してください。

ラベル更新も同じ発想で冪等にします。「未ラベルのものだけ」「status: triage がまだ無いものだけ」と、現在状態を述語にして対象を絞るのが基本形です。「全 open Issue を分類し直す」は一見強力ですが、毎回全件を触るので揺れの温床になります。

[owner/repo] の open Issue のうち、type: で始まるラベルが
一つも付いていないものだけを対象にしてください(既に分類済みのものは触らない)。

無人パイプラインの重複検知については、トピック生成側で同じ問題に向き合った記録もあります。あわせて読むと、冪等性を「状態の述語化」で解く発想がつかみやすいはずです(Cowork の無人パイプラインで重複トピックを検知するゲート設計)。

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この記事で得られること
無人で毎週回しても重複コメントと誤再分類を起こさない、マーカー方式の冪等トリアージ・プロンプト設計
feature と improvement の取り違えなど『ラベル境界のズレ』を週次で自己監査して補正する仕組み
GitHub API レート上限の連鎖枯渇を防ぐ件数バジェットと、静的 PAT を短命資格情報へ寄せる守りの認証構成
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