月曜の朝、届いているはずの下調べのまとめが見当たりませんでした。前の週の金曜までは、同じタスクが同じ時刻にきちんと成果物を残してくれておりました。
設定を開いても、スケジュールは崩れておりません。失敗の表示もありません。ただ実行の記録だけが、土日の分だけ抜けておりました。
心当たりに行き着いたのは、作成画面をもう一度たどり直したときでした。私は「Claude がどのフォルダで作業するか」という欄に、手元のフォルダを一つ選んでおりました。——その一項目が、タスクの居場所を私の机の上に固定していたのです。
実行場所は、作成画面の最後の一項目で決まります
定期タスクは、既定ではリモートで走ります。公式ヘルプも、スケジュールタスクはリモートで実行されるため、コンピューターがスリープしていても Claude Desktop が閉じていても決めた間隔で動く、と明記しております。
一方で、手動作成の手順にある作業フォルダの項目には、短い注記が添えられております。ローカルのファイルやアプリを必要とするスケジュールタスクは、ローカルでのみ実行される、という一文です。同じページには、スケジュールタスクは組み込みの実行間隔と、コネクタおよび Claude アカウントに保存されたファイルで動くもので、手元のフォルダに結び付けることはできない、とも書かれております。
つまり置き場所の指定が、そのまま実行場所の指定を兼ねております。出典は Schedule recurring tasks in Claude Cowork(Claude Help Center) です。
| 観点 | リモートで走るタスク | 端末で走るタスク |
|---|---|---|
| 端末を閉じているとき | 予定どおり動きます | その回は動きません |
| 触れる材料 | コネクタと Claude アカウント上のファイル | 連携フォルダ・端末のアプリ |
| 向いている仕事 | 下調べ、要約、コネクタ越しの集計 | 手元のファイルの整理、書き出し、既存の作業フォルダの更新 |
| 止まったときの見え方 | 失敗として記録が残ります | 実行の記録そのものが空きます |
見落としやすいのは最終行です。端末が閉じていて回らなかった日は、失敗の通知ではなく何も起きなかった日として残ります。私が土日の欠落に月曜まで気づけなかったのも、これが理由でした。
私が取り違えていたのは、材料の置き場所でした
個人開発で運用しているものが増えるにつれて、私は「とりあえず作業フォルダを指定しておく」癖がついておりました。指定しておけば成果物の行き先が決まって安心する、という程度の理由です。
結果は芳しくありませんでした。フォルダを必要としない下調べのタスクまで端末に縛られ、外出した日や電源を落とした夜に、まとめて回らなくなっておりました。
いま思えば、フォルダ欄を「成果物の置き場所」だと読んでいたのが取り違えの始まりでした。あの欄が答えていたのは、どこに置くかではなく、どこで走るかという問いだったのかもしれません。
いまは、材料がどこにあるかでタスクを二種類に分けております。壁紙アプリの素材整理のように連携フォルダの中身を直接触る仕事は、端末が起きている時間帯に置きます。逆に Lab のサイトで扱う話題の下調べは、フォルダ欄を空のままにしてリモートに任せます。
手元を必要とする仕事は、手元が開いている時間に置きます。 この一行を決めてから、曜日によって成果が消える不思議は起こらなくなりました。
タスクを作る前に決めておく三つの問い
作成画面を開く前に、私自身が声に出して確かめている問いが三つあります。
- 材料はどこにありますか。 コネクタとアカウント上のファイルだけで足りるなら、フォルダ欄は空で構いません。手元のファイルを読む必要があるなら、そのタスクは端末に置く前提で考えます。
- 成果物はどこに残ってほしいですか。 受信箱や会話の中で読めれば十分な報告と、フォルダの中に更新済みのファイルとして残ってほしい成果は、必要な実行場所が違います。
- 止まったとき、いつ気づけますか。 毎朝読む種類の成果物なら翌朝に気づけます。月末にまとめて使う種類なら、気づくのは一か月後です。後者ほど、端末に縛らないほうが安全です。
三つ目だけは、設定画面に対応する欄がありません。だからこそ、作る前に決めておく価値があります。
実行場所を、毎回一行だけ残してもらう
推測で悩む時間がもったいないので、私はタスクのプロンプトの末尾に、実行環境を一行だけ書き出す指示を足しております。成果物のいちばん下に貼ってもらう、というだけの決まりごとです。
# タスクの最後に実行してもらう3行。出力を成果物の末尾に貼らせる
TZ=Asia/Tokyo date '+実行時刻 %Y-%m-%d %H:%M'
uname -s -m
# 連携フォルダのパスは自分の環境のものに置き換えます
[ -d "$HOME/Workspace/Materials" ] && echo "連携フォルダ: 見えています" || echo "連携フォルダ: 見えていません"期待する出力は、次のような三行です。
実行時刻 2026-09-16 07:00
Linux x86_64
連携フォルダ: 見えていません三行目が「見えていません」であれば、そのタスクは手元のファイルに触れておりません。フォルダ欄を空にしても成果物は変わらない、という判断がここで付きます。逆に「見えています」と出るタスクは、端末が開いている時間にしか回らない前提で組み直します。
この三行を足しておく価値は、正常に動いている日にこそあります。うまくいっている日の記録が並んでいるからこそ、抜けた日の形がはっきり見えるのです。無音のまま終わるタスクをどう捕まえるかについては、Cowork スケジュールタスクが黙って止まる理由と、自動で立ち直る仕組みの作り方 にも書き残しております。
手元が要る仕事を、それでも毎日動かしたいとき
フォルダを触る仕事を諦める必要はありません。私が試して落ち着いたのは、一本のタスクを二本に割る形でした。
材料を集めて整える前半はリモートに任せ、出来上がったものを手元のフォルダへ収める後半だけを端末側の枠に置きます。前半は端末の状態に関係なく毎日進みますので、机に向かった時点で後半の材料は揃っております。
もう一つの道は、材料そのものをクラウド側へ寄せることです。コネクタ越しに読める場所へ材料を移せば、そのタスクは端末から離れられます。ただし、どのフォルダを渡すかという判断は別に必要です。渡す範囲の決め方は 接続フォルダは、何を渡すかより何を歩かせないかで決まります にまとめております。
両方を残したまま使い分ける、というのがいまの形です。全部をリモートに寄せる必要も、全部を端末に置く必要もありませんでした。
今日できること
いま動いている定期タスクを一つ開いて、作業フォルダの欄だけを見てください。そこに何か入っていて、しかも本文の指示がフォルダの中身に触れていないのであれば、その欄を空にするだけで、そのタスクは端末の電源から自由になります。
私も、まずは一本だけ試しました。翌朝、机に向かう前に成果物が届いていたときの手触りは、いまもよく覚えております。お読みいただきありがとうございました。